症候性総頚動脈閉塞症に対する大伏在静脈を用いたボンネットバイパス術の 1 例

症候性内頚動脈閉塞の 2 次性脳梗塞予防に対するSTA-MCA バイパス術は標準的治療として確立されているものの,症候性総頚動脈閉塞症においては,患側 STAの血流が乏しく,充分な血流の改善が期待できないため有効な外科的治療方針は確立されていない.これまで対側 STA からドナーグラフトを用いたボンネットバイパス術が有効であることが報告されている.今回我々は,症候性総頚動脈閉塞症に対し,大伏在静脈をドナーグラフトとしたボンネットバイパス術を施行し,術後,症状は軽快し,脳血流検査では血管予備能の改善がみられ,良好な転帰が得られた症例を経験したので報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日大医学雑誌 Vol. 82; no. 2; pp. 113 - 117
Main Authors 筧, 雄三, 稲原, 裕也, 小林, 真人, 大滝, 遼, 大谷, 直樹, 梶本, 隆太, 吉野, 篤緒, 勝原, 隆道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.04.2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.82.2_113

Cover

More Information
Summary:症候性内頚動脈閉塞の 2 次性脳梗塞予防に対するSTA-MCA バイパス術は標準的治療として確立されているものの,症候性総頚動脈閉塞症においては,患側 STAの血流が乏しく,充分な血流の改善が期待できないため有効な外科的治療方針は確立されていない.これまで対側 STA からドナーグラフトを用いたボンネットバイパス術が有効であることが報告されている.今回我々は,症候性総頚動脈閉塞症に対し,大伏在静脈をドナーグラフトとしたボンネットバイパス術を施行し,術後,症状は軽快し,脳血流検査では血管予備能の改善がみられ,良好な転帰が得られた症例を経験したので報告する.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.82.2_113