捕球動作に有効なヒトの捕球形態の分類とロボットハンドの捕球形態への応用

ヒトやロボットは捕球動作が可能であるが,人間機械協調系の電動義手ハンドによる捕球は困難である.本研究の目的 は,ヒトの捕球動作を観察することで捕球動作に適した捕球形態を同定し,ロボットハンドの捕球形態に応用することである. ヒトを対象とした,自由落下するボールを手先で捕球する実験の結果,捕球形態は 5 種類に分類された.その中で捕球成功率 が高い捕球形態は,最初に掌遠位にボールを接触させ,握力把持に至る形態であり,母指と小指の対向性が重要であると結論 づけた.同定した捕球形態をロボットハンドへ応用した結果,捕球成功率が劇的に増加した.以上の結果は,母指と小指を対 向させられるロボットハンドによ...

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Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 47; no. 1; pp. 54 - 62
Main Authors 姜, 銀来, 横井, 浩史, 東島, 涼香, 東郷, 俊太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2023
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ISSN0285-0885
DOI10.3951/sobim.47.1_54

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Summary:ヒトやロボットは捕球動作が可能であるが,人間機械協調系の電動義手ハンドによる捕球は困難である.本研究の目的 は,ヒトの捕球動作を観察することで捕球動作に適した捕球形態を同定し,ロボットハンドの捕球形態に応用することである. ヒトを対象とした,自由落下するボールを手先で捕球する実験の結果,捕球形態は 5 種類に分類された.その中で捕球成功率 が高い捕球形態は,最初に掌遠位にボールを接触させ,握力把持に至る形態であり,母指と小指の対向性が重要であると結論 づけた.同定した捕球形態をロボットハンドへ応用した結果,捕球成功率が劇的に増加した.以上の結果は,母指と小指を対 向させられるロボットハンドによって,電動義手による捕球動作が実行可能であることを示唆する.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.47.1_54