多変量統計的プロセス管理を用いた多次元生体信号からの眠気検出

人は眠気によって意識レベルが低下し,交通事故などの重大な事故を起こすことがある.これらを未然に防ぐために眠気を検出する研究は盛んに行われている.眠気検出は脳波や心電図などの生体信号から得られる生理指標を用いたものがあるが,確立された評価法はまだ存在しない.本報告では,脳波および心拍変動から得られる生理指標に対して多変量統計的プロセス管理を用いた眠気検出法を提案する.実験では,画面上に十字が表示されたらボタンを速やかに押下することを被験者に求め,ボタン押下の反応時間が長いときを眠気が強いと仮定して,提案手法により得られる指標(T2値)と眠気との関係を検討した.解析では,脳波と心拍変動から算出され...

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Published in生体医工学 Vol. Annual57; no. Abstract; p. S43_1
Main Authors 小川, 慶, 加納, 慎一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
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Summary:人は眠気によって意識レベルが低下し,交通事故などの重大な事故を起こすことがある.これらを未然に防ぐために眠気を検出する研究は盛んに行われている.眠気検出は脳波や心電図などの生体信号から得られる生理指標を用いたものがあるが,確立された評価法はまだ存在しない.本報告では,脳波および心拍変動から得られる生理指標に対して多変量統計的プロセス管理を用いた眠気検出法を提案する.実験では,画面上に十字が表示されたらボタンを速やかに押下することを被験者に求め,ボタン押下の反応時間が長いときを眠気が強いと仮定して,提案手法により得られる指標(T2値)と眠気との関係を検討した.解析では,脳波と心拍変動から算出される生理指標に,主成分分析を適用して累積寄与率90%で次元を削減し,規格化したデータの原点からの距離を評価指標(T2値) とした.そして,T2値に眠気判定のための閾値を設定して,その閾値を越えた時刻を眠気ありと判定した.課題遂行中のボタン押下の反応時間(図a)と,提案手法で算出したT2値(図b)の傾向が類似している結果が実験によって得られた.本結果から,課題遂行中の眠気が提案する手法で検出できたことが示唆された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S43_1