生理指標変化をトリガーに用いるメンタルヘルスケア支援システム~ポジティブイベントに注目して

ウェアラブルデバイスを活用してストレス度を推定しユーザに提示するメンタルヘルスケア支援を目的とした研究や製品が増えているが,ネガティブな変化を対象としているものが多い.そこで,ポジティブなイベントにも注目することと生理指標変化をトリガーに用いることを特徴としたメンタルヘルスケア支援システムを開発した.E4 Wristband(Empatica社)で脈波と皮膚電気活動,自作デバイスで呼吸を計測し,これらから得られる指標変化を検出してユーザに通知する.ユーザは通知をヒントにその時のイベントや感情を記録する.記録されたネガティブイベントの閲覧画面では対処方法を提示し,ポジティブイベント閲覧画面では就...

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Published in生体医工学 Vol. Annual61; no. Abstract; p. 260_1
Main Authors 林, 海斗, 大須賀, 美恵子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
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Summary:ウェアラブルデバイスを活用してストレス度を推定しユーザに提示するメンタルヘルスケア支援を目的とした研究や製品が増えているが,ネガティブな変化を対象としているものが多い.そこで,ポジティブなイベントにも注目することと生理指標変化をトリガーに用いることを特徴としたメンタルヘルスケア支援システムを開発した.E4 Wristband(Empatica社)で脈波と皮膚電気活動,自作デバイスで呼吸を計測し,これらから得られる指標変化を検出してユーザに通知する.ユーザは通知をヒントにその時のイベントや感情を記録する.記録されたネガティブイベントの閲覧画面では対処方法を提示し,ポジティブイベント閲覧画面では就寝前に想起を促すメッセージを表示する.6名を対象として2日間データを取得する予備実験(承認番号2021-64-2)により生理変化検出アルゴリズムを決定した後,4名を対象に3日間のシステム利用をさせる評価実験を行った(承認番号2021-64-3).システム利用前後のストレスに関する質問紙(SRS-18)のスコアが全員減少し,特に無気力の因子の減少が顕著であった.ポジティブなイベントを認知させたことの効果が伺える.アンケートによる生理変化検出のタイミングの妥当性評価は参加者によってばらつきがあり,通知頻度適正化アルゴリズムの改良が課題となった.なお,本研究に関して示すべき利益相反関連事項はない.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.260_1