中足部回内評価のための小型エアバック足部変形計測システムの開発

[背景] 変形性膝関節症や外反母趾などの下肢の障害は歩行機能を低下させる代表的要因である.外反母趾を有する高齢者の多くに中足部の回内足が観察される.中足部の動作は膝関節や足関節のモーメントに関連することから定量的な計測技術が望まれる.しかし,歩行中の足部に対して荷重の変化がある状況下で,中足部の回内を計測できるシステムは開発されていない.そこで,本研究では歩行中の中足部の回内計測システムを開発することを目的とした.さらに,小規模フィールドテストを行い,本システムの有用性を評価した.[方法] 本システムは,中足部回内の計測のために空気圧センサ付きの小型エアバックを独自に開発した.サンプリング周波...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 138_1
Main Authors 大西, 忠輔, 宮下, 佳以, 山下, 知子, 井野, 秀一, 山下, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.138_1

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Summary:[背景] 変形性膝関節症や外反母趾などの下肢の障害は歩行機能を低下させる代表的要因である.外反母趾を有する高齢者の多くに中足部の回内足が観察される.中足部の動作は膝関節や足関節のモーメントに関連することから定量的な計測技術が望まれる.しかし,歩行中の足部に対して荷重の変化がある状況下で,中足部の回内を計測できるシステムは開発されていない.そこで,本研究では歩行中の中足部の回内計測システムを開発することを目的とした.さらに,小規模フィールドテストを行い,本システムの有用性を評価した.[方法] 本システムは,中足部回内の計測のために空気圧センサ付きの小型エアバックを独自に開発した.サンプリング周波数は57Hzである.エアバックは舟状骨の位置に固定した.さらに,歩行時の足圧中心(CoP)を同時計測するために,足底の5か所に圧センサを配置した.フィールド実験の対象者は4名(56.8±16.1歳)であり,10秒間の自然歩行を行った.[結果・考察] 歩行中のCoPと空気圧センサの出力には相関が得られ,計測システムの再現性が確認された.さらに,対象者による歩行パタンの違いを確認した.すなわち,取得したデータから動的な中足部の機械的特性を評価できることが明らかになった.[結語] 今後は,中足部回内は外反母趾や変形性膝関節症のリスクを高める可能性があることから,新しい計測指標の開発につなげる.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.138_1