麻酔収支も可視化できる手術部門原価管理手法とその成果
SPDおよび麻酔情報システムぞれぞれのデータを利用し,症例別,かつ,手術・麻酔別貢献マージン(粗利)算出が可能な自動計算アルゴリズムを2010年に開発・導入した。個人消費とならない非症例別材料コストは,材料マスタ上で3区分し,手術と麻酔の手技料に応じて各症例に比例配賦した。8年間にわたる運用の結果,全41,067症例で貢献マージンを算出でき,各手術診療科および麻酔科における貢献マージンの年次推移により長期的な可用性が示された。また,症例統計において,医療だけでなく経済的な内容も加味できることを示した。さらに,診療科別手術貢献マージン,麻酔貢献マージン,材料消費料,貢献マージン率などが原価管理に...
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Published in | 日本医療・病院管理学会誌 Vol. 56; no. 4; pp. 181 - 190 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
2019
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Subjects | |
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ISSN | 1882-594X 2185-422X |
DOI | 10.11303/jsha.56.181 |
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Summary: | SPDおよび麻酔情報システムぞれぞれのデータを利用し,症例別,かつ,手術・麻酔別貢献マージン(粗利)算出が可能な自動計算アルゴリズムを2010年に開発・導入した。個人消費とならない非症例別材料コストは,材料マスタ上で3区分し,手術と麻酔の手技料に応じて各症例に比例配賦した。8年間にわたる運用の結果,全41,067症例で貢献マージンを算出でき,各手術診療科および麻酔科における貢献マージンの年次推移により長期的な可用性が示された。また,症例統計において,医療だけでなく経済的な内容も加味できることを示した。さらに,診療科別手術貢献マージン,麻酔貢献マージン,材料消費料,貢献マージン率などが原価管理に役立つことも示した。 消費材料を集計した結果,症例固有のコストが86%であり,残りの14%にあたる非症例別配賦コストの内訳は,手術用61%,麻酔用15%,手術部共用24%であった。全体として,手術部門の医学的および経済的側面の視覚化が可能となった。 |
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ISSN: | 1882-594X 2185-422X |
DOI: | 10.11303/jsha.56.181 |