頚椎症性脊髄症に対する手術治療の現況と選択肢

本邦における脊椎変性疾患の有病者は, 近年の高齢化社会の到来とともに急増している. 従来では手術を回避していた高齢患者においても, 低侵襲化された脊椎手術においては実施が検討される傾向になっており, 脊椎変性疾患に対する手術件数は増加傾向にある. 頚椎症性脊髄症は脊椎変性疾患の代表疾患である. 加齢によって解剖学的構造が変化しながら静的要因と動的要因が病態に関与するメカニズムは, 頭蓋内疾患と大きく異なるため, われわれ脳神経外科医が脊椎疾患を診断・治療する際に留意すべき事項である. 本稿では数多い外科的治療の選択肢が存在する現状と手術計画の立案に必要な知識について, 文献的考察を加えて説明し...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 32; no. 5; pp. 290 - 299
Main Authors 福田, 美雪, 小原, 次郎, 佐々木, 伸洋, 豊嶋, 敦彦, 上田, 茂雄, 黒田, 昌之, 寳子丸, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経外科コングレス 2023
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.32.290

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Summary:本邦における脊椎変性疾患の有病者は, 近年の高齢化社会の到来とともに急増している. 従来では手術を回避していた高齢患者においても, 低侵襲化された脊椎手術においては実施が検討される傾向になっており, 脊椎変性疾患に対する手術件数は増加傾向にある. 頚椎症性脊髄症は脊椎変性疾患の代表疾患である. 加齢によって解剖学的構造が変化しながら静的要因と動的要因が病態に関与するメカニズムは, 頭蓋内疾患と大きく異なるため, われわれ脳神経外科医が脊椎疾患を診断・治療する際に留意すべき事項である. 本稿では数多い外科的治療の選択肢が存在する現状と手術計画の立案に必要な知識について, 文献的考察を加えて説明している.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.32.290