脳と脳脊髄液の自動抽出・領域分割とAI-CAD

【背景・目的】我が国では3D MRI画像から内側側頭部脳領域の萎縮度を評価するVSRADが脳ドック等で広く使われてきた。2020年に発売されたSYNAPSE VINCENTの脳区域解析アプリは脳と脳脊髄液をAIで26区域に自動分割できる。2022年より運用が始まったクラウド型AI開発支援サービスSYNAPSE Creative Space (CS)は特定関心領域を抽出し、病的所見の有無を自動判定するAIを医療者自らが作成できる。これらを活用した医療・脳ドックの未来を紹介する。【方法】健常成人133人に3T MRIで3D T1-MPRAGE画像を撮影。脳区域解析アプリで、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、...

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Published in生体医工学 Vol. Annual61; no. Abstract; p. 122_1
Main Authors 山田, 茂樹, 伊藤, 広貴, 松政, 宏典, 伊井, 仁志, 前田, 修作, 武石, 直樹, 大谷, 智仁, 谷川, 元紀, 渡邉, 嘉之, 和田, 成生, 大島, まり, 間瀬, 光人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
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Summary:【背景・目的】我が国では3D MRI画像から内側側頭部脳領域の萎縮度を評価するVSRADが脳ドック等で広く使われてきた。2020年に発売されたSYNAPSE VINCENTの脳区域解析アプリは脳と脳脊髄液をAIで26区域に自動分割できる。2022年より運用が始まったクラウド型AI開発支援サービスSYNAPSE Creative Space (CS)は特定関心領域を抽出し、病的所見の有無を自動判定するAIを医療者自らが作成できる。これらを活用した医療・脳ドックの未来を紹介する。【方法】健常成人133人に3T MRIで3D T1-MPRAGE画像を撮影。脳区域解析アプリで、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、海馬、小脳、脳幹等21領域と、各脳室、くも膜下腔の5区域に自動分割、体積割合を算出し、局所脳と髄液の加齢性変化を検証。SYNAPSE CSで特発性正常圧水頭症(iNPH) に特徴的な画像所見DESHを自動判別すべく、頭蓋内CSF、脳室とくも膜下腔2領域の領域分割と脳室拡大(VD)、高位円蓋部・正中くも膜下腔狭小化(THC)、シルビウス裂開大(SFD)の自動判定を推論。【結果】20歳以降加齢とともに大脳皮質灰白質は直線的に減少し、大脳辺縁系等の皮質下灰白質は維持され、白質は40代までわずかに増加後、急速に減少。一方、くも膜下腔は直線的に増加し、脳室は60代以降に増加。SYNAPSE CS によるiNPHのDESH、VD、THC、SFDの定量的自動判定は十分な精度であった。【結語】従来、「脳委縮」や「DESH」は医師の主観で評価されてきたが、今後はAIを活用した各脳区域の体積割合による脳委縮やDESHの自動判定など、数値で客観的に評価される。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.122_1