半教師有学習による超音波ドプラ信号内のノイズ除去および生体信号抽出の可能性検討

(背景・目的)胎児心拍数陣図(cardiotocogram:CTG)は、胎児心拍数と子宮収縮を同時に観測するものである。CTGは胎児の低酸素状態などで生じる心拍パターンの変化や子宮収縮の評価に用いられることから分娩では広く使用されている。正確な胎児心拍測定は特に分娩時に重要であるが、母体動作や胎動等によるアーチファクトの影響でCTGの波形品質が低下することが知られている。これまでの研究では、自己相関処理に関連したパラメータ調整手法や検波手法に着目した解決手段が提案されているが、一致した見解はない。 そこで本研究では、深層学習手法を用いることで、自己相関処理の前段でアーチファクト成分と胎児心拍成...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 222_2
Main Authors 廣野, 悠太, 佐藤, 郁美, 吉田, 皓文, 甲斐, 千遥, 笠井, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.222_2

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Summary:(背景・目的)胎児心拍数陣図(cardiotocogram:CTG)は、胎児心拍数と子宮収縮を同時に観測するものである。CTGは胎児の低酸素状態などで生じる心拍パターンの変化や子宮収縮の評価に用いられることから分娩では広く使用されている。正確な胎児心拍測定は特に分娩時に重要であるが、母体動作や胎動等によるアーチファクトの影響でCTGの波形品質が低下することが知られている。これまでの研究では、自己相関処理に関連したパラメータ調整手法や検波手法に着目した解決手段が提案されているが、一致した見解はない。 そこで本研究では、深層学習手法を用いることで、自己相関処理の前段でアーチファクト成分と胎児心拍成分 を分離し、CTGの品質改善に寄与することを目的とした。(方法)AIモデルは半教師有学習手法であるVirtual Adversarial Training(VAT)を用いた。超音波ドプラ法で得られた信号に対し、「胎児心拍成分」「胎児心拍間成分」「アーチファクト成分」へ手動で弁別することで教師データを作成した。【学習データ】ラベルあり:300、ラベル:150,000【評価データ】3000をデータセットとして使用した。(結果)半教師あり学習を用いることで正解率85.96%(正解数:2,579/3,000)を得ることができた。本検討結果より、ロバスト性の高いノイズに対する適用可能性が示唆された。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.222_2