頭蓋内電極のブレインマシンインターフェースへの応用

神経電極の重要な応用分野としてブレインマシンインターフェース(BMI)が挙げられる。我々は脳神経外科臨床においててんかん焦点同定等に利用されている硬膜下電極を高密度化し、これを体内植込み型BMIの脳波計測に用いることにより、正確でノイズ混入の少ない頭蓋内脳波を計測し、性能の高いBMIの実用化を目指している。 硬膜下電極を用いると、高周波帯域成分も加算することなく計測できるだけでなく、頭蓋骨の内側に電極を留置するので、外乱ノイズの混入を容易に低減できる。この高周波帯域成分には、脳機能情報が豊富に含まれており、これを用いると脳信号の解読を高い精度で行うことが可能になり、フリック操作による会話やロボ...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 143_1
Main Authors 田口, 美紗, 吉田, 翔平, 鈴木, 隆文, 海住, 太郎, 平田, 雅之, 藏富, 荘留
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.143_1

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Summary:神経電極の重要な応用分野としてブレインマシンインターフェース(BMI)が挙げられる。我々は脳神経外科臨床においててんかん焦点同定等に利用されている硬膜下電極を高密度化し、これを体内植込み型BMIの脳波計測に用いることにより、正確でノイズ混入の少ない頭蓋内脳波を計測し、性能の高いBMIの実用化を目指している。 硬膜下電極を用いると、高周波帯域成分も加算することなく計測できるだけでなく、頭蓋骨の内側に電極を留置するので、外乱ノイズの混入を容易に低減できる。この高周波帯域成分には、脳機能情報が豊富に含まれており、これを用いると脳信号の解読を高い精度で行うことが可能になり、フリック操作による会話やロボットアームの3次元制御が可能となる。 硬膜下電極をブレインマシンインターフェースに用いるためには、電極だけでなく、計測や電源も体内に植込み、無線化する必要があり、ワイヤレス体内植込み型脳波計の開発が必須となる。我々は15年間にわたってワイヤレス体内植込み型脳波計の開発に取り組み、まもなく臨床試験を行うに至った。 ワイヤレス体内植込み型脳波計が臨床応用されれば、正確な脳波データが大量に取得できるようになるため、BMIの性能も飛躍的な進歩が期待される。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.143_1