Bevacizumab投与中の急性腹症23例の治療成績

【はじめに】Bevacizumab(以下,BV)投与中は消化管穿孔など特異的な副作用があり,手術治療においては合併症が多いと報告されている。【対象と方法】2009年4月から2022年12月までにBV投与中に急性腹症をきたした23例を対象に,患者背景,治療成績を検討した。【結果】原因は消化管穿孔13例(57%)と最多だった。緊急手術は12例に施行され,消化管穿孔症例はドレナージのみ,あるいは人工肛門造設術が施行された。術後合併症(Clavien-Dindo分類≧grade Ⅱ)は7例(54%)に認めた。消化管穿孔保存的治療4例中3例は発症50日以内に死亡したが,手術症例9例は全例軽快し,生存日数...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 43; no. 3; pp. 647 - 653
Main Authors 佐久間, 政宜, 高山, 祐一, 高橋, 崇真, 青山, 広希, 細井, 敬泰, 清板, 和昭, 前田, 敦行, 金岡, 祐次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.03.2023
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Summary:【はじめに】Bevacizumab(以下,BV)投与中は消化管穿孔など特異的な副作用があり,手術治療においては合併症が多いと報告されている。【対象と方法】2009年4月から2022年12月までにBV投与中に急性腹症をきたした23例を対象に,患者背景,治療成績を検討した。【結果】原因は消化管穿孔13例(57%)と最多だった。緊急手術は12例に施行され,消化管穿孔症例はドレナージのみ,あるいは人工肛門造設術が施行された。術後合併症(Clavien-Dindo分類≧grade Ⅱ)は7例(54%)に認めた。消化管穿孔保存的治療4例中3例は発症50日以内に死亡したが,手術症例9例は全例軽快し,生存日数中央値は202日(70〜2,353日)だった。【結語】BV投与中の急性腹症は消化管穿孔が多く,手術症例は高率に合併症を認めた。消化管穿孔症例は耐術可能ならば手術で状態の改善が期待できる。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.43.647