局所再発をきたした乳腺偽血管腫様過形成の1例
乳腺偽血管腫様過形成(pseudoangiomatous stromal hyperplasia:PASH)の局所再発の1例を経験したので報告する.症例は42歳,女性.2022年に右乳房A区域に50mm大の腫瘤を自覚し,当科を受診した.針生検でPASHと診断され,摘出術を施行した.病理組織学的診断もPASHであり,切除断端陽性であったが本人と相談の上,経過観察の方針とした.半年後の超音波検査で,前回の手術部位に52mm大と23mm大の2つの低エコー腫瘤が連なった形で出現していた.針生検では,膠原線維性間質の中に紡錘形細胞が血管腔様の間隙を呈しながら増生する像を認め,紡錘形細胞はCD34に陽性で...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 85; no. 2; pp. 222 - 226 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2024
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.85.222 |
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Summary: | 乳腺偽血管腫様過形成(pseudoangiomatous stromal hyperplasia:PASH)の局所再発の1例を経験したので報告する.症例は42歳,女性.2022年に右乳房A区域に50mm大の腫瘤を自覚し,当科を受診した.針生検でPASHと診断され,摘出術を施行した.病理組織学的診断もPASHであり,切除断端陽性であったが本人と相談の上,経過観察の方針とした.半年後の超音波検査で,前回の手術部位に52mm大と23mm大の2つの低エコー腫瘤が連なった形で出現していた.針生検では,膠原線維性間質の中に紡錘形細胞が血管腔様の間隙を呈しながら増生する像を認め,紡錘形細胞はCD34に陽性であることから,PASHと診断した.摘出術を施行したところ,摘出標本でも同様の所見が得られ,免疫染色により紡錘形細胞はCD34,α-SMA,Bcl-2が陽性,ER,PgR,Desmin,D2-40,CD31,Factor VIIIが陰性であった.2回目の手術から半年の時点で,再発兆候は認めていない.自験例に若干の文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.85.222 |