がん放射線療法看護認定看護師の在籍する医療機関における放射線皮膚炎の発生およびケアに関する実態調査

放射線皮膚炎(以下、皮膚炎)は放射線治療による有害事象の一つである。本研究の目的は、がん放射線療法看護認定看護師(以下、CN)の在籍する施設における皮膚炎の発生頻度や、CNによる皮膚炎ケアの現状と課題を明らかにすることである。223施設のCNを対象に質問紙調査を実施し、在籍する施設における皮膚炎の発生頻度や、皮膚炎ケアについて尋ねた。有効回答106部。皮膚炎の発生頻度は照射部位によって異なっており、頭頸部ではグレード2以上の皮膚炎の発生頻度が50%以上であると回答した施設が29%に上った。また、放射線治療中の照射部位の観察状況は、皮膚炎発生前98%、皮膚炎発生時100%の施設のCNが実施してお...

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Published in日本放射線看護学会誌 Vol. 9; no. 1; pp. 3 - 13
Main Authors 岩下, 恵子, 土肥, 佐和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本放射線看護学会 30.06.2021
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Summary:放射線皮膚炎(以下、皮膚炎)は放射線治療による有害事象の一つである。本研究の目的は、がん放射線療法看護認定看護師(以下、CN)の在籍する施設における皮膚炎の発生頻度や、CNによる皮膚炎ケアの現状と課題を明らかにすることである。223施設のCNを対象に質問紙調査を実施し、在籍する施設における皮膚炎の発生頻度や、皮膚炎ケアについて尋ねた。有効回答106部。皮膚炎の発生頻度は照射部位によって異なっており、頭頸部ではグレード2以上の皮膚炎の発生頻度が50%以上であると回答した施設が29%に上った。また、放射線治療中の照射部位の観察状況は、皮膚炎発生前98%、皮膚炎発生時100%の施設のCNが実施しており、医療職の中で最も多かった。しかし、放射線治療終了後のCNによるフォローアップを実施している施設は79%にとどまっており、放射線治療終了後の放射線科医との協働の有無に影響を受けていることが明らかになった。CNは他職種や看護師と協働することで、皮膚炎ケアの実践においてCNの役割をより一層発揮していくことができると考えられる。
ISSN:2187-6460
2433-5649
DOI:10.24680/rnsj.09006