情報伝達を行うために重要なものとは?-動物の写真を用いての演習より

大規模災害等で行われている情報伝達は,相手が目の前にいることは少なく「通信機器を用いての情報伝達が多い」「災害の規模が大きいほど情報の混乱が起きる」「本人の思い込み」などの理由から,情報伝達がうまく機能しないことが研究報告等で指摘されている.今回,394 名の看護学生を対象に,通信機器をメインとした時の情報伝達の際,どのような情報を収集し,どのように相手に伝えると情報伝達がうまくいくのかについて,犬と猫の写真を用い,2 群の比較(それぞれの写真を見た群)を行った.送り手の自由記載の結果より,「情報は細かく収集し詳細に伝えるほうがよい」「イメージの共通認識には知識やお互いの確認が必要」「細かく収...

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Published inバイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 Vol. 21; no. 2; pp. 27 - 36
Main Authors 秋永, 和之, 梅﨑, 節子, 柴山, 薫, 野中, 良恵, 高橋, 公一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメディカル・ファジィ・システム学会 28.12.2019
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ISSN1345-1537
2424-2578
DOI10.24466/jbfsa.21.2_27

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Summary:大規模災害等で行われている情報伝達は,相手が目の前にいることは少なく「通信機器を用いての情報伝達が多い」「災害の規模が大きいほど情報の混乱が起きる」「本人の思い込み」などの理由から,情報伝達がうまく機能しないことが研究報告等で指摘されている.今回,394 名の看護学生を対象に,通信機器をメインとした時の情報伝達の際,どのような情報を収集し,どのように相手に伝えると情報伝達がうまくいくのかについて,犬と猫の写真を用い,2 群の比較(それぞれの写真を見た群)を行った.送り手の自由記載の結果より,「情報は細かく収集し詳細に伝えるほうがよい」「イメージの共通認識には知識やお互いの確認が必要」「細かく収集した情報でも,お互いに共通認識の用語でなければ伝えるのは困難」という内容が得られた.送り手から聞いた情報が受け手のイメージしたこととあっていたかどうかについては,両群とも受け手は有意な差はなかった.また,送り手に関しては犬の写真を見た送り手よりも,猫の写真を見た送り手の方が伝えることが出来たと感じていた(p=0.005).送り手が収集した情報が相手に伝わるには,送り手,受け手それぞれが共通認識できる知識やイメージ,表現がなければ,伝わりにくいということが考えられた.
ISSN:1345-1537
2424-2578
DOI:10.24466/jbfsa.21.2_27