光線力学療法における皮膚光線過敏症定量評価のための発赤画像解析
我々は、光線力学療法における皮膚光線過敏症の定量評価を目指し、光線力学療法患者を対象に光線過敏症試験前後の手背画像解析を行なった。光線力学療法 (photodynamic therapy: PDT) は、腫瘍集積性のある光感受性薬剤投与後にインターバルを設けて励起光を照射することで腫瘍を選択的に死滅させる低侵襲な治療法である。一方で、皮膚に残存した光感受性薬剤が環境光に曝露されることで生じる光線過敏症が課題である。光線過敏症を防ぐために投薬後に2週間室内で過ごす遮光期間が定められており、遮光期間終了の判断のために光線過敏試験が行われる。現状の試験は、手背部を日光に5分間暴露し、光過敏反応を目視...
Saved in:
Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 202_1 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual60.202_1 |
Cover
Summary: | 我々は、光線力学療法における皮膚光線過敏症の定量評価を目指し、光線力学療法患者を対象に光線過敏症試験前後の手背画像解析を行なった。光線力学療法 (photodynamic therapy: PDT) は、腫瘍集積性のある光感受性薬剤投与後にインターバルを設けて励起光を照射することで腫瘍を選択的に死滅させる低侵襲な治療法である。一方で、皮膚に残存した光感受性薬剤が環境光に曝露されることで生じる光線過敏症が課題である。光線過敏症を防ぐために投薬後に2週間室内で過ごす遮光期間が定められており、遮光期間終了の判断のために光線過敏試験が行われる。現状の試験は、手背部を日光に5分間暴露し、光過敏反応を目視により判断するというもので、この方法は定性的であるという問題点がある。 そこで本研究では、皮膚光線過敏症による発赤を定量的に評価することを目的とし、PDT患者の光線過敏試験前後の手背画像を、3つの表色系を用いて解析を行なった。京都大学医学部附属病院において、PDT患者20名の皮膚光線過敏症試験前後の手背画像をカラースケールと共に撮像した。画像処理ソフトImageJを用いて、手背画像から光暴露部分およびカラースケールのsRGB値をそれぞれ取得し、撮影条件の補正を行なった上でCIELAB表色系、HSV表色系に変換を行った。sRGB、LAB、HSVの3つの表色系で評価精度を検討した結果、sRGBのGを用いることで光線過敏症試験前後の2枚の画像間で発赤定量評価の可能性が示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual60.202_1 |