AI画像解析による内視鏡外科手術手技のビデオ評価及び手術支援システムの構築

【はじめに】術後成長発達する小児患者にとって、低侵襲手術は非常に重要である。しかし患者数は限られているため、しっかりとした手術を行うためにoff the job-training(OJT)が重要である。さらにOJTでの効率的な手技獲得には、手技を客観的に評価しfeed backを行うシステムが必須である。また安全で効率的な内視鏡手術を行うためには、臓器の位置関係の把握が必要であるため、術中ナビゲーションは重要な要件となる。これらの課題に対して、AIを用いた内視鏡手技評価および手術支援システムの構築に着手しており現状の成果を報告する。【方法と結果】食道閉鎖症モデルを用いた吻合手技を被験者に課し、...

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Published in生体医工学 Vol. Annual61; no. Abstract; p. 127_2
Main Authors 安井, 昭洋, 内田, 広夫, 森, 健策, 石田, 昇平, 出家, 亨一, 檜, 顕成, 城田, 千代栄, 小田, 昌宏, 林, 雄一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
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Summary:【はじめに】術後成長発達する小児患者にとって、低侵襲手術は非常に重要である。しかし患者数は限られているため、しっかりとした手術を行うためにoff the job-training(OJT)が重要である。さらにOJTでの効率的な手技獲得には、手技を客観的に評価しfeed backを行うシステムが必須である。また安全で効率的な内視鏡手術を行うためには、臓器の位置関係の把握が必要であるため、術中ナビゲーションは重要な要件となる。これらの課題に対して、AIを用いた内視鏡手技評価および手術支援システムの構築に着手しており現状の成果を報告する。【方法と結果】食道閉鎖症モデルを用いた吻合手技を被験者に課し、各被験者の手技を最初に人の目で「check 表」「エラー項目」「時間」を用いて評価した。次にビデオから検出した鉗子の動きと人が判定した手技優劣の関係性をAIで学習させ、上位88%・下位95%の精度で手技優劣が自動判定可能となった。この結果を解析することで今まで必要だった50項目以上の肉眼チェックが、わずか7項目チェックするだけで手技の優劣を判断できることが明らかになった。現在食道閉鎖症の手術画像を用いて、食道・迷走神経・気管を深層学習させ、各種構造物の自動認識を進めている。【まとめ】AI画像解析により内視鏡手技の優劣をビデオで判定可能となった。この結果から新たに効率的な手技判断基準を定めることができた。術中ナビゲーションは現在精度のさらなる向上を目指している。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.127_2