HMD型MRデバイスを用いた採血手技訓練システムの開発

採血技術は看護師の経験に依る部分が大きく言語化が困難であるため,学生にとって修得が困難な技術の一つである.しかし,採血は臨床上頻繁に行われるため,教育現場では学習効率の高い自習教材を求める声が高まっている.我々は過去の研究において,熟練者の手技をHand-MoCapにより計測し,熟練者の手に装着したレシーバおよび注射器を3D-CGで再現したが,レシーバと注射器だけでは自習教材として不十分であった.本研究では,レシーバの動きから手指の動きを再現し,HMD型MR(Mixed Reality)デバイスを介して熟練者の手指および注射器の動きを3D-CGとして実空間に重畳表示・移動操作可能な「採血手技M...

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Published in生体医工学 Vol. Annual57; no. Abstract; p. S85_1
Main Authors 芳野, 光, 齋藤, 正親, 菊地, 由紀子, 工藤, 由紀子, 佐々木, 真紀子, 水戸部, 一孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
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Summary:採血技術は看護師の経験に依る部分が大きく言語化が困難であるため,学生にとって修得が困難な技術の一つである.しかし,採血は臨床上頻繁に行われるため,教育現場では学習効率の高い自習教材を求める声が高まっている.我々は過去の研究において,熟練者の手技をHand-MoCapにより計測し,熟練者の手に装着したレシーバおよび注射器を3D-CGで再現したが,レシーバと注射器だけでは自習教材として不十分であった.本研究では,レシーバの動きから手指の動きを再現し,HMD型MR(Mixed Reality)デバイスを介して熟練者の手指および注射器の動きを3D-CGとして実空間に重畳表示・移動操作可能な「採血手技MR訓練システム」を開発した.従来のビデオ教材では視認しづらい注射針の軌跡を可視化したり,腕の透明度を変えて血管内部での注射針の動きを詳細に表示したり,看護教育現場で採血手技を模倣学習するための機能を開発した.今後,既存の採血訓練シミュレータと併用した場合の本システムによる訓練効果を検討する予定である.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S85_1