足関節の他動的底背屈運動デバイスによる関節可動域の改善
【目的】脳卒中片麻痺者の足関節の痙縮減弱のための徒手療法であるピストンテクニックを模擬するPiston Device for Foot(PDFt)を開発している.足関節を他動的に8.8Hz,底背屈角度4.7°の範囲の往復運動が可能である.このデバイスを健常者に使用して安全性と関節可動域改善の有効性を検証する.【方法】足関節の背屈に可動域制限の認められた者を含む健常者10名(29.6±10.8歳)を対象に,5分間のPDFtによる足関節の他動的底背屈運動を施した.PDFtから足関節に3kgの押付けの有無による効果の差も確かめた.足関節の背屈のP-ROMとA-ROMの測定,5m歩行テスト,アンケート...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 166_1 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual60.166_1 |
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Summary: | 【目的】脳卒中片麻痺者の足関節の痙縮減弱のための徒手療法であるピストンテクニックを模擬するPiston Device for Foot(PDFt)を開発している.足関節を他動的に8.8Hz,底背屈角度4.7°の範囲の往復運動が可能である.このデバイスを健常者に使用して安全性と関節可動域改善の有効性を検証する.【方法】足関節の背屈に可動域制限の認められた者を含む健常者10名(29.6±10.8歳)を対象に,5分間のPDFtによる足関節の他動的底背屈運動を施した.PDFtから足関節に3kgの押付けの有無による効果の差も確かめた.足関節の背屈のP-ROMとA-ROMの測定,5m歩行テスト,アンケートを実施した.本研究は名古屋工業大学の倫理審査の承認を得て実施した.【結果】使用前後の目視による観察,5m歩行テスト,5日間の経過観察で異常は見られず,健康被害が発生しないことから安全性を確認した.10名に対してP-ROMとA-ROMの拡大効果(*<0.05)が確認された.可動域制限の有る群では押付けが無い場合のみに有意差(*<0.05)のある効果が得られ,可動域制限の無い群では押付けによる効果の差は無かった.【考察】関節可動域制限のある被験者には,押付け無しでの使用が好ましい可能性が示唆された.押付けられることで筋収縮が発生し,効果が得にくいことも考えられる. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual60.166_1 |