尿試験紙呈色画像における自動解析システムを用いたクレアチニン補正に関する基礎的検討

本研究は非侵襲かつ得られる生体情報が多い尿検査に着目し,その中でも健康診断等でスクリーニングに用いられる尿試験紙の利活用を図る.近年の新型コロナウィルス感染症により,日本ではオンライン診療の需要が急速に高まった.しかし,尿検査については未だ普及しておらず,現時点では適応されていない.そこでオンラインへの応用を目指し,尿試験紙呈色部における色情報を用いた自動解析システムを構築し,臨床的意義の高い尿クレアチニン補正を行った尿アルブミン/クレアチニン比(A/C),尿蛋白質/クレアチニン比(P/C)について検討した. 自動解析システムはプログラミング言語にPythonを,ライブラリにOpenCVを用い...

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Published in生体医工学 Vol. Annual60; no. Abstract; p. 144_2
Main Authors 藤山, 春樹, 横山, 徹, 清水, 久恵, 山下, 政司, 北間, 正崇, 小島, 洋一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
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Summary:本研究は非侵襲かつ得られる生体情報が多い尿検査に着目し,その中でも健康診断等でスクリーニングに用いられる尿試験紙の利活用を図る.近年の新型コロナウィルス感染症により,日本ではオンライン診療の需要が急速に高まった.しかし,尿検査については未だ普及しておらず,現時点では適応されていない.そこでオンラインへの応用を目指し,尿試験紙呈色部における色情報を用いた自動解析システムを構築し,臨床的意義の高い尿クレアチニン補正を行った尿アルブミン/クレアチニン比(A/C),尿蛋白質/クレアチニン比(P/C)について検討した. 自動解析システムはプログラミング言語にPythonを,ライブラリにOpenCVを用いて構築した.尿試験紙データは,ヒト尿由来の精度管理尿と,本学倫理委員会承認の文書による同意済のヒト尿で尿試験紙を呈色させた後,尿化学分析装置で判定と撮影した画像を用いた.自動解析システムによる検討内容は,A/C,P/Cを各色情報の値から導出し,それらを用いてクレアチニン補正の効果を回帰式と決定係数から比較した.その結果,大きかったばらつきがクレアチニン補正をすることで収束し,直線関係が見られた.以上,本システムにおいて尿試験紙画像からA/C,P/C判定の可能性を見出し,構築した自動解析システムの有用性が示された.今後,無線通信機能を搭載のシングルボードコンピュータを用いて小型装置の製作を試みる.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.144_2