内視鏡下甲状腺手術の手術手技の工夫と手術成績―VANS変法を行う立場から

内視鏡下甲状腺手術には様々なアプローチ方法が報告されている。われわれは,VANS原法に変更を加えた方法で内視鏡下甲状腺手術を実施している。カメラ挿入位置を変更し,必要に応じて助手のassist portを追加している。良性腫瘍では最大径5cmまで,バセドウ病では推定重量50gまでを手術適応とし,悪性腫瘍はcT1N0までとしている。甲状腺表面までの到達方法は,胸鎖乳突筋内縁より前頸筋前面に到達し,側法アプローチで甲状腺表面まで到達する。前頸筋背側にリトラクターを挿入して吊り上げ,視野を展開しており,原則,患側からの手術操作で行っている。現在までの手術成績では,通常手術と比較して同様の安全性や根治...

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Published in日本内分泌外科学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 7 - 11
Main Authors 後藤, 正和, 藤本, 啓介, 井上, 聖也, 藤原, 聡史, 河北, 直也, 三崎, 万理子, 鳥羽, 博明, 森下, 敦司, 宮本, 直輝, 坂本, 晋一, 竹内, 大平, 滝沢, 宏光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内分泌外科学会 2025
Subjects
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ISSN2434-6535
2758-8785
DOI10.11226/ojjaes.42.1_7

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Summary:内視鏡下甲状腺手術には様々なアプローチ方法が報告されている。われわれは,VANS原法に変更を加えた方法で内視鏡下甲状腺手術を実施している。カメラ挿入位置を変更し,必要に応じて助手のassist portを追加している。良性腫瘍では最大径5cmまで,バセドウ病では推定重量50gまでを手術適応とし,悪性腫瘍はcT1N0までとしている。甲状腺表面までの到達方法は,胸鎖乳突筋内縁より前頸筋前面に到達し,側法アプローチで甲状腺表面まで到達する。前頸筋背側にリトラクターを挿入して吊り上げ,視野を展開しており,原則,患側からの手術操作で行っている。現在までの手術成績では,通常手術と比較して同様の安全性や根治性が得られている。一方で,手術時間が長いことが難点と考える。術式の定型化の徹底と手術トレーニングの工夫によって,手術時間の短縮を図り,術者教育を行うことが今後の課題である。
ISSN:2434-6535
2758-8785
DOI:10.11226/ojjaes.42.1_7