不安定板上における立位制御と体性感覚入力への重みづけ

本研究の目的は,姿勢制御における下肢からの体性感覚入力への重みづけの違いが,不安定板上における立位制御様式に及ぼす影響を調査することであった.10名の若年健常成人男性は,下肢からの体性感覚入力への重みづけの程度によって2群に等分された.被験者は不安定板上に立ち,その間の床反力および運動学データが収集された.下肢と体幹の角度変化についてコヒーレンス分析がなされた.下肢からの体性感覚入力への重みづけが大きい群は,下肢と体幹の角度変化間のCoherenceとGainが比較的高く,下肢と体幹の動きが連結した制御であることを示唆した.体性感覚入力への重みづけが小さい群は,CoherenceとGainは比...

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Published inバイオメカニズム学会誌 Vol. 34; no. 2; pp. 142 - 148
Main Authors 板谷, 厚, 木塚, 朝博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメカニズム学会 2010
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Summary:本研究の目的は,姿勢制御における下肢からの体性感覚入力への重みづけの違いが,不安定板上における立位制御様式に及ぼす影響を調査することであった.10名の若年健常成人男性は,下肢からの体性感覚入力への重みづけの程度によって2群に等分された.被験者は不安定板上に立ち,その間の床反力および運動学データが収集された.下肢と体幹の角度変化についてコヒーレンス分析がなされた.下肢からの体性感覚入力への重みづけが大きい群は,下肢と体幹の角度変化間のCoherenceとGainが比較的高く,下肢と体幹の動きが連結した制御であることを示唆した.体性感覚入力への重みづけが小さい群は,CoherenceとGainは比較的低く,下肢と体幹の動きは独立傾向にあり,前庭入力への重みづけが比較的高いことを示唆した.よって,感覚手がかりの重みづけによって不安定板上における立位制御様式は影響を受けることが明らかとなった.
ISSN:0285-0885
DOI:10.3951/sobim.34.142