コロナ禍における子どもの抑うつの関連要因に関する検討

本研究では,小学5年生と中学2年生およびその保護者を対象とした生活実態調査のデータを用いて,コロナ禍における子どもの抑うつの実態を捉えたうえで,抑うつの関連要因を検討した.分析の結果,小学5年生では11.4%,中学2年生では24.4%の子どもは抑うつ傾向があり,男子よりも女子のほうが抑うつのリスクが高いことがわかった.また,授業を理解できる,昼食をちゃんと食べている,就寝時間が規則正しい,部活動に参加している,家族は向き合ってくれると感じている子どものほうが,抑うつのリスクが低く,遅刻の頻度が高い,健康面で気になることが多い,誰にも相談できない,放課後一人でいる,悩みや気持ちを相談する機会がな...

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Published in子ども家庭福祉学 Vol. 23; pp. 48 - 61
Main Authors 林, 萍萍, 山野, 則子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本子ども家庭福祉学会 25.11.2023
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ISSN1347-183X
2758-2280
DOI10.57489/jscfw.23.0_48

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Summary:本研究では,小学5年生と中学2年生およびその保護者を対象とした生活実態調査のデータを用いて,コロナ禍における子どもの抑うつの実態を捉えたうえで,抑うつの関連要因を検討した.分析の結果,小学5年生では11.4%,中学2年生では24.4%の子どもは抑うつ傾向があり,男子よりも女子のほうが抑うつのリスクが高いことがわかった.また,授業を理解できる,昼食をちゃんと食べている,就寝時間が規則正しい,部活動に参加している,家族は向き合ってくれると感じている子どものほうが,抑うつのリスクが低く,遅刻の頻度が高い,健康面で気になることが多い,誰にも相談できない,放課後一人でいる,悩みや気持ちを相談する機会がない子どものほうが,抑うつのリスクが高いことが示唆された.さらに,保護者の精神状態が子どもの抑うつと関連していること,低学年において,家族との関わりが子どもの心の健康により重要な役割を果たしていることが示唆された.
ISSN:1347-183X
2758-2280
DOI:10.57489/jscfw.23.0_48