窒素含有アモルファス炭素系薄膜の紫外線殺菌処理に対する細胞増殖性

カテーテルや人工臓器などの医療機器には、課題として抗血栓性や生体親和性等の向上が挙げられるが、これらの課題に対して薄膜形成による医療機器の表面機能改善が求められている。また、医療機器には使用前の殺菌処理が必要不可欠であり、薄膜材料には紫外線殺菌や高圧蒸気滅菌に対する耐久性も重要な要素となる。加えて、医療機器に使用されるチタンやセラミックス、ポリマー等に対して薄膜の密着性が求められる。このように、薄膜材料には条件が多数存在するが、これらの条件を満たす可能性ある材料としてアモルファス炭素系薄膜がある。アモルファス炭素系薄膜は、炭素のsp3混成軌道結合、sp2混成軌道結合を基本構成としているが、他元...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 315_2
Main Authors 一條, 瑛巴, 馬目, 佳信, 金杉, 和弥, 平栗, 健二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.315_2

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Summary:カテーテルや人工臓器などの医療機器には、課題として抗血栓性や生体親和性等の向上が挙げられるが、これらの課題に対して薄膜形成による医療機器の表面機能改善が求められている。また、医療機器には使用前の殺菌処理が必要不可欠であり、薄膜材料には紫外線殺菌や高圧蒸気滅菌に対する耐久性も重要な要素となる。加えて、医療機器に使用されるチタンやセラミックス、ポリマー等に対して薄膜の密着性が求められる。このように、薄膜材料には条件が多数存在するが、これらの条件を満たす可能性ある材料としてアモルファス炭素系薄膜がある。アモルファス炭素系薄膜は、炭素のsp3混成軌道結合、sp2混成軌道結合を基本構成としているが、他元素を含有させることで特性を付与することも可能である。例えば、窒素を含有させると更に細胞増殖性が促進されることがこれまでに報告されている。しかし、窒素含有アモルファス炭素系薄膜に対する紫外線殺菌処理の影響は現状未知である。本研究では、医療分野での応用を目指して紫外線殺菌処理時間を変化させた窒素含有アモルファス炭素系薄膜をRaman分光法、原子間力顕微鏡、X線光電子分光法 、静的水接触角試験で膜構造、表面状態の分析を行った。さらに、マウスの線維芽細胞であるNIH-3T3を用いて細胞増殖性を調査した。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.315_2