可逆性の多発性脳血管狭窄による脳梗塞をきたした小児の1例
症例は15歳男児. ランニング中に突然の激しい頭痛, 左不全麻痺が出現し, 右基底核部に脳梗塞を認めた. 当初は右内頚動脈終末部の狭窄, その後閉塞をきたしていたが, その改善後に右中大脳動脈M1・M2部に新しく狭窄を認め, 同部位の狭窄も最終的に改善した. 鑑別疾患としては可逆性脳血管攣縮症候群 (RCVS) や動脈解離, focal cerebral arteriopathy (FCA) などであったが, 可逆的な血管攣縮像や経過から, RCVSの可能性が高いと考えられた. 脳血管狭窄を伴う小児脳梗塞でRCVSを疑った場合は, 経時的に別部位に新しい狭窄部が出現する場合があり, 長期間のフ...
Saved in:
Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 32; no. 6; pp. 385 - 390 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
2023
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.32.385 |
Cover
Loading…
Summary: | 症例は15歳男児. ランニング中に突然の激しい頭痛, 左不全麻痺が出現し, 右基底核部に脳梗塞を認めた. 当初は右内頚動脈終末部の狭窄, その後閉塞をきたしていたが, その改善後に右中大脳動脈M1・M2部に新しく狭窄を認め, 同部位の狭窄も最終的に改善した. 鑑別疾患としては可逆性脳血管攣縮症候群 (RCVS) や動脈解離, focal cerebral arteriopathy (FCA) などであったが, 可逆的な血管攣縮像や経過から, RCVSの可能性が高いと考えられた. 脳血管狭窄を伴う小児脳梗塞でRCVSを疑った場合は, 経時的に別部位に新しい狭窄部が出現する場合があり, 長期間のフォローが必要と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.32.385 |