下部消化管出血に対するIVR

下部消化管出血に対する経皮的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)が選択される機会は増えており,その有用性はすでに示されているが,消化管虚血などの合併症が問題となるため,塞栓範囲の設定や塞栓物質の選択を適切に行うことが重要である。下部消化管出血においては,直細動脈(vasa recta)が出血源であることが多く,出血点が明らかであれば金属コイルやn-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)を用いたvasa rectaの選択的塞栓が第一選択である。出血点が明らかでない場合の代替手段として,イミペネム・シラスタチン(IPM/CS)...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 43; no. 5; pp. 839 - 843
Main Authors 池田, 慎平, 八方, 政豪, 上嶋, 聡, 嶺, 貴彦, 川口, 祐香理, 船木, 裕, 坂野, 高広, 上田, 太一朗, 山本, 真梨子, 安松, 比呂志, 益子, 一樹, 原, 義明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.07.2023
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Summary:下部消化管出血に対する経皮的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)が選択される機会は増えており,その有用性はすでに示されているが,消化管虚血などの合併症が問題となるため,塞栓範囲の設定や塞栓物質の選択を適切に行うことが重要である。下部消化管出血においては,直細動脈(vasa recta)が出血源であることが多く,出血点が明らかであれば金属コイルやn-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)を用いたvasa rectaの選択的塞栓が第一選択である。出血点が明らかでない場合の代替手段として,イミペネム・シラスタチン(IPM/CS)の使用がここ数年で報告されるようになった。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.43.839