栄養教育からみたカルシウムに関する基礎的認識の調査
カルシウム (Ca) 摂取推進のための教育内容及び教育・指導のあり方を検討する目的で, 昭和63年6~9月に, 愛知県下の小学生~社会人総計487人を対象に, Ca全般に関する知識・理解度をみる調査を, また, 愛知県下の別の高校生~社会人総計115人を対象に, 食品におけるCa含有量の量的な把握の正確度をみる調査を行い, 次の結果を得た。 1) Ca含有食品として一般的に割合知られている牛乳や小ざかな類に対しては, 認識度は高かった。また,“牛乳”や, 小ざかな類の中の“しらす干し”に対しては, そのCa含有量を過大視する傾向があった。逆に, Ca含有食品としてはあまり知られていない“凍り豆...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 49; no. 4; pp. 217 - 225 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
1991
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.49.217 |
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Summary: | カルシウム (Ca) 摂取推進のための教育内容及び教育・指導のあり方を検討する目的で, 昭和63年6~9月に, 愛知県下の小学生~社会人総計487人を対象に, Ca全般に関する知識・理解度をみる調査を, また, 愛知県下の別の高校生~社会人総計115人を対象に, 食品におけるCa含有量の量的な把握の正確度をみる調査を行い, 次の結果を得た。 1) Ca含有食品として一般的に割合知られている牛乳や小ざかな類に対しては, 認識度は高かった。また,“牛乳”や, 小ざかな類の中の“しらす干し”に対しては, そのCa含有量を過大視する傾向があった。逆に, Ca含有食品としてはあまり知られていない“凍り豆腐”,“こまつな”に対しては, Ca含有量を過小視する傾向がみられた。 2) Caの消化・吸収促進補助物質として挙げられるビタミンDを回答している割合は, 半数以下であった。 3) Caの生理的機能と欠乏症については, 骨や歯に関する項目 (“骨や歯の組織を固くする”,“骨や歯の形成障害を起こす”) に対しては正答率は高かった。その他の機能 (“筋肉の収縮を助ける”,“血液を凝固させる”,“血液の酸・アルカリのバランスをよくする”) に対しては, 対象者の85%以上が知らなかった。また, 欠乏症である“骨粗鬆症”については, 年齢層が高いほど正答率が高いという傾向がみられた。 |
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ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.49.217 |