腹腔鏡下に修復し得たMorgagni孔ヘルニアの1例
症例は72歳,女性。右季肋部痛と呼吸苦を主訴に当院を受診した。胸腹部CT検査で横行結腸と小腸と大網が右胸腔側に脱出しており,Morgagni孔ヘルニアの診断で手術の方針とした。手術は腹腔鏡下に行う方針とした。胸骨右後面にヘルニア門を認め,術前診断の通りMorgagni孔ヘルニアであった。ヘルニア門は7×5cm大で横行結腸と小腸と大網が陥入していたが,容易に還納することができた。腹腔鏡下にヘルニア門を縫合閉鎖し,メッシュ(SymbotexTM Composite Mesh:Medtronic社)を併用した。経過良好で術後7日目に軽快退院した。術後2年を経過したが,現在のところ再発は認めていない。...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 42; no. 6; pp. 713 - 716 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
30.09.2022
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Summary: | 症例は72歳,女性。右季肋部痛と呼吸苦を主訴に当院を受診した。胸腹部CT検査で横行結腸と小腸と大網が右胸腔側に脱出しており,Morgagni孔ヘルニアの診断で手術の方針とした。手術は腹腔鏡下に行う方針とした。胸骨右後面にヘルニア門を認め,術前診断の通りMorgagni孔ヘルニアであった。ヘルニア門は7×5cm大で横行結腸と小腸と大網が陥入していたが,容易に還納することができた。腹腔鏡下にヘルニア門を縫合閉鎖し,メッシュ(SymbotexTM Composite Mesh:Medtronic社)を併用した。経過良好で術後7日目に軽快退院した。術後2年を経過したが,現在のところ再発は認めていない。Morgagni孔ヘルニアに対する腹腔鏡手術の報告は少なく,現在のところ確立された治療法はない。本疾患に対する腹腔鏡手術は簡便,低侵襲であり有用な方法であると考えられた。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.42.713 |