呼吸波形画像と機械学習を用いた乳幼児睡眠時無呼吸検出システム

乳幼児突然死症候群は主として睡眠中に発症し,閉塞性および混合型睡眠時無呼吸の発生頻度との関係性が示唆されているが,健常児の睡眠時無呼吸の発生について詳細な実態把握はこれまで十分なされていない.我々は光学式三次元センサであるKinect V2を用いた非接触多人数同時呼吸計測モニタシステムを開発し,本システムを用いて保育園における0歳児園児の睡眠時呼吸動態の長期間計測してきた.しかし,計測された園児の呼吸動態データのデータ量は膨大で目視や手動での解析では困難といった課題があった.そこで本研究は計測した呼吸動態波形データから機械学習を用い,睡眠時無呼吸症状を検出するシステムの開発を目的とした.計測済...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual61; no. Abstract; p. 184_2
Main Authors 岸本, 美保, 間庭, 大智, 植田, 穣, 荒船, 龍彦, 篠原, 裕美, 来栖, 宏二, 岡田, 邦之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2023
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
Online AccessGet full text
ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual61.184_2

Cover

Loading…
More Information
Summary:乳幼児突然死症候群は主として睡眠中に発症し,閉塞性および混合型睡眠時無呼吸の発生頻度との関係性が示唆されているが,健常児の睡眠時無呼吸の発生について詳細な実態把握はこれまで十分なされていない.我々は光学式三次元センサであるKinect V2を用いた非接触多人数同時呼吸計測モニタシステムを開発し,本システムを用いて保育園における0歳児園児の睡眠時呼吸動態の長期間計測してきた.しかし,計測された園児の呼吸動態データのデータ量は膨大で目視や手動での解析では困難といった課題があった.そこで本研究は計測した呼吸動態波形データから機械学習を用い,睡眠時無呼吸症状を検出するシステムの開発を目的とした.計測済みの呼吸動態波形データにおいて極値を求め,その極値を用いて1呼吸ごとに呼吸動態波形の切り出しを行った.そして切り出した波形から正常の呼吸波形5500枚と無呼吸波形80枚,適切に切り出しが行われなかった波形20枚のデータセット作成し,畳み込みニューラルネットワークのAlexNetを用いて特徴量抽出を行った.得られた特徴量データのうち80%を学習用データとし非線形サポートベクターマシンを用いて3クラス分類器を作成した.そして残りの20%のデータをテストデータとして評価した結果,適合率0.77,再現率0.83,F値0.80の精度で睡眠時無呼吸症状の検出が行えることが示唆された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual61.184_2