採血支援機器の可能性と課題および方向性について、医療従事者に対するアンケート調査とインタビューに基づいた分析と考察

本研究の目的は、病院における医療従事者のアンケート調査およびインタビューにより、採血支援装置の可能性、課題、および方向性を調査することである。日本の病院に所属する医療従事者95名を対象としたアンケートと、このうち許可を得た医療従事者7名を対象としたインタビューを行った。アンケートでは、医療従事者がどのように臨床問題を認識しているか、そして、採血支援装置である静脈可視化装置や電子駆血帯について知っているか、有用であるかどうかを調査した。インタビューでは、両装置の可能性と問題点、および自動血液収集システムの将来について尋ねた。調査対象の病院の医療従事者の60%が静脈可視化装置について知っており、2...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 234_1
Main Authors 河原, 和夫, 松井, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.234_1

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Summary:本研究の目的は、病院における医療従事者のアンケート調査およびインタビューにより、採血支援装置の可能性、課題、および方向性を調査することである。日本の病院に所属する医療従事者95名を対象としたアンケートと、このうち許可を得た医療従事者7名を対象としたインタビューを行った。アンケートでは、医療従事者がどのように臨床問題を認識しているか、そして、採血支援装置である静脈可視化装置や電子駆血帯について知っているか、有用であるかどうかを調査した。インタビューでは、両装置の可能性と問題点、および自動血液収集システムの将来について尋ねた。調査対象の病院の医療従事者の60%が静脈可視化装置について知っており、29%が有用だと答えた。インタビューを受けた人のほとんどが、静脈可視化装置には将来性があると回答した。病院の医療従事者の22%が電子駆血帯について知っていた。電子駆血帯は必要ないという意見と、可能性があるという双方の意見があった。インタビューした7人のうち、4人はより高度な自動採血システムに大きな期待を寄せている。また、採血の完全自動化ではなく、ヒトの関与が必要であるという意見もあった。現状、採血作業は採血者の手腕に依存している。しかし、本調査は、採血支援装置に対する潜在的需要があることを示しており、採血者の意識や採血支援機器に関する結果は、将来の機器開発のベースとして重要であると考えられる。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.234_1