拡張現実型聴診訓練システムにおける生体音同期再生のための呼吸計測手法の検討

模擬患者との聴診訓練によりリアリティを持たせるため,拡張現実技術を用いた呼吸音・心音聴診訓練システムEARS(Educational Augmented Reality auscultation System)が提案されている.しかし従来のEARSではシステムから模擬患者の呼吸リズムを指示するため,模擬患者の呼吸に合わせた生体音の再生ができないことが課題であった.そこで本研究では,聴診器デバイスのチェストピース部に内蔵可能な呼吸計測手法を提案する.本研究では胸郭変動を利用した呼吸計測手法と,呼吸音の周波数特性を利用した呼吸計測手法の検討を行った.胸郭変動による計測においては,加速度センサ,角速...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 139_1
Main Authors 笠井, 大, 伊藤, 彰一, 河野, 由貴子, 朝比奈, 真由美, 野村, 行弘, 田邊, 政裕, 中口, 俊哉, 三浦, 慶一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.139_1

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Summary:模擬患者との聴診訓練によりリアリティを持たせるため,拡張現実技術を用いた呼吸音・心音聴診訓練システムEARS(Educational Augmented Reality auscultation System)が提案されている.しかし従来のEARSではシステムから模擬患者の呼吸リズムを指示するため,模擬患者の呼吸に合わせた生体音の再生ができないことが課題であった.そこで本研究では,聴診器デバイスのチェストピース部に内蔵可能な呼吸計測手法を提案する.本研究では胸郭変動を利用した呼吸計測手法と,呼吸音の周波数特性を利用した呼吸計測手法の検討を行った.胸郭変動による計測においては,加速度センサ,角速度センサ,磁気センサ,感圧センサを使用した聴診器型の呼吸計測デバイスを製作した.磁気センサによる計測では,聴診器の膜面に磁石を配置し,胸郭変動による膜面の変形に伴う磁場の変化として検出した.呼吸音による計測においては,聴診器とマイクロフォンを使用した呼吸計測デバイスを製作した.呼吸音を取得後,呼吸音の周波数スペクトルを算出し,呼気時と吸気時の呼吸音の違いを利用した特徴量抽出を行うことで呼吸波形を取得した.提案した2種類の呼吸計測手法の評価実験を行った.評価指標には正規化相互相関を使用し,各手法で取得した波形と呼吸波形の参照値を比較した.実験の結果,胸郭変動による手法,呼吸音による手法ともに参照値との相関が認められ,両手法の組み合わせによって,より精度の高い呼吸波形が取得できる可能性が示唆された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.139_1