機械学習を用いた整形外科インプラントの設置強度推定

整形外科領域におけるインプラント手術は、術中利用可能な設置強度基準が確立されておらず、執刀医の手感覚や経験によって行われている。インプラントの初期設置強度が不足していた場合、骨癒合不全などの術後早期の経過不良を招く恐れがあり、定量的に評価する診断手法が求められている。これまで我々は設置されたインプラントにレーザーを照射し、誘起される振動を計測および解析するレーザー誘起振動波診断を用いてインプラントの設置強度診断を実証してきた。ここで、最も強く振動する周波数と研究室レベルで評価される機械強度指標の相関評価により、回帰式を求めることが診断技術の原理であり、重要な開発項目になる。本研究では、従来の回...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Abstract; p. 162_2
Main Authors 石野田, 明弘, 名倉, 武雄, 三上, 勝大, 中島, 大輔, 根本, 充貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.162_2

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Summary:整形外科領域におけるインプラント手術は、術中利用可能な設置強度基準が確立されておらず、執刀医の手感覚や経験によって行われている。インプラントの初期設置強度が不足していた場合、骨癒合不全などの術後早期の経過不良を招く恐れがあり、定量的に評価する診断手法が求められている。これまで我々は設置されたインプラントにレーザーを照射し、誘起される振動を計測および解析するレーザー誘起振動波診断を用いてインプラントの設置強度診断を実証してきた。ここで、最も強く振動する周波数と研究室レベルで評価される機械強度指標の相関評価により、回帰式を求めることが診断技術の原理であり、重要な開発項目になる。本研究では、従来の回帰式を得るために振動周波数スペクトルから得られる1変数だけではなく、機械学習を用いて複数の変数を活用する手法を提案する。今回の実験では、模擬骨のみを用いて、インプラントの振動周波数スペクトルデータから64種類 (変数8条件×周波数8条件) の説明変数を作成し、Lassoで変数選択を行う。選択した変数でRBFカーネルを用いたサポートベクター回帰により設置強度を推定し、決定係数R2で従来法との比較を行った。また、骨密度を説明変数として加えた臨床データの導入効果の検証も行なった。結果として、骨密度を加えて、3変数で得た非線形回帰式の決定係数は0.919であり、従来法より優れることを明らかにした。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.162_2