術後にCOVID-19陽性が判明した胃癌の1例

当院では2020年4月初旬にCOVID-19の院内感染が発生した.院内感染の状況が不明確な初期に胃癌に対して胃全摘を施行し, 術後にCOVID-19感染症の陽性が確認された1症例を経験した.感染源は手術前後に同室であった陽性患者と考えられた.術後は発熱が散発し,胸部CTにて肺炎所見を認めたためCOVID-19感染が疑われたが,3回目のPCR検査で漸く陽性が確認された.陽性確認後はファビピラビル投与のためか良好に経過し,術後24病日(COVID-19陽性確認後9日後)に退院した.COVID-19院内感染が発生した病院において,やむなく手術を行う場合には術前後に個室管理が基本であると考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 4; pp. 707 - 710
Main Authors 森﨑, 善久, 鈴木, 昭一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2021
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Summary:当院では2020年4月初旬にCOVID-19の院内感染が発生した.院内感染の状況が不明確な初期に胃癌に対して胃全摘を施行し, 術後にCOVID-19感染症の陽性が確認された1症例を経験した.感染源は手術前後に同室であった陽性患者と考えられた.術後は発熱が散発し,胸部CTにて肺炎所見を認めたためCOVID-19感染が疑われたが,3回目のPCR検査で漸く陽性が確認された.陽性確認後はファビピラビル投与のためか良好に経過し,術後24病日(COVID-19陽性確認後9日後)に退院した.COVID-19院内感染が発生した病院において,やむなく手術を行う場合には術前後に個室管理が基本であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.82.707