500床規模病院の外科が行える働き方改革

外科医のQOL改善や医療安全向上のために働き方改革は重要である。当院は静岡県西部中東遠医療圏を支える500病床の中核病院で,外科は消化器外科9名,血管外科1名,専攻医3名で構成される。専攻医からは多数の手術件数を経験できる一方,多忙激務との誹りを受けていた。2020年4月から①緊急手術対応柔軟化,②勤務間インターバル遵守,③時間外病棟対応負担軽減,④カンファレンス簡略化,⑤休暇取得推奨に努めた。その結果,時間外労働や外科医QOL低下につながる手術時間3時間以上の緊急手術数に差がないものの,時間外勤務時間は減少した。若手外科医からは「勤務は軽減した,噂ほど激務ではなかった」との評価が得られるよう...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 44; no. 6; pp. 791 - 794
Main Authors 松本, 圭五, 神藤, 修, 坂口, 孝宣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.09.2024
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.44.791

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Summary:外科医のQOL改善や医療安全向上のために働き方改革は重要である。当院は静岡県西部中東遠医療圏を支える500病床の中核病院で,外科は消化器外科9名,血管外科1名,専攻医3名で構成される。専攻医からは多数の手術件数を経験できる一方,多忙激務との誹りを受けていた。2020年4月から①緊急手術対応柔軟化,②勤務間インターバル遵守,③時間外病棟対応負担軽減,④カンファレンス簡略化,⑤休暇取得推奨に努めた。その結果,時間外労働や外科医QOL低下につながる手術時間3時間以上の緊急手術数に差がないものの,時間外勤務時間は減少した。若手外科医からは「勤務は軽減した,噂ほど激務ではなかった」との評価が得られるようになった。外科医10名強の同規模病院であれば,診療責任者の方針転換で外科医の働き方改革は可能である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.44.791