アタッチメントスタイルと親イメージの関連――20答法による探索的検討

親子関係はアタッチメント理論の根幹を担っているものの,成人のアタッチメントにおいては,意識的な親イメージは中心課題とされてこなかった。そこで本研究では,アタッチメントスタイルと,親イメージの構成要素とその構造との関連について探索的な検討を行うことを目的とした。283名の調査協力者に対し,20答法を援用した親イメージの把握と日本語版Relationship Questionnaireを実施し,テキストマイニングによる分析を行った。その結果,安定型は社会的で肯定的な親イメージを抱きやすく,軽視型は自分との関係から親イメージを捉えやすいことが明らかになった。とらわれ型とおそれ型は自分との良好な関係を...

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Published inパーソナリティ研究 Vol. 25; no. 3; pp. 191 - 205
Main Author 田附, 紘平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 2016
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Summary:親子関係はアタッチメント理論の根幹を担っているものの,成人のアタッチメントにおいては,意識的な親イメージは中心課題とされてこなかった。そこで本研究では,アタッチメントスタイルと,親イメージの構成要素とその構造との関連について探索的な検討を行うことを目的とした。283名の調査協力者に対し,20答法を援用した親イメージの把握と日本語版Relationship Questionnaireを実施し,テキストマイニングによる分析を行った。その結果,安定型は社会的で肯定的な親イメージを抱きやすく,軽視型は自分との関係から親イメージを捉えやすいことが明らかになった。とらわれ型とおそれ型は自分との良好な関係を強調した親イメージと否定的な親イメージを同時に抱きやすく,親イメージが類似していることが示された。得られた結果から,各アタッチメントスタイルが抱く親イメージに関して考察を行った。
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.25.191