あらかじめの温熱環境曝露による水浸拘束誘発マウス胃潰瘍の抑制

温熱耐性として, あらかじめの温熱処理が重篤な温熱誘導生物影響を抑制することはよく知られている. 本論文において, 我々はあらかじめの温熱処理が水浸拘束ストレス (RWIS) による胃壁の損傷を抑制するかどうか確かめた. RWISによる胃潰瘍は42%発生したのに対して, あらかじめ37°Cで温熱処理すると9 %に抑制された. さらに, 胃におけるRWIS誘導アポトーシス頻度は13%であったのに対して, あらかじめ温熱処理すると8 %に抑制された. 温熱ショックタンパク質 (HSP) 誘導剤のゲラニルゲラニルアセトン (GGA) も胃潰瘍の発生を抑制したことから, あらかじめの温熱によるHSPが...

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Published inThermal Medicine Vol. 25; no. 3; pp. 81 - 87
Main Authors 山形, 力生, 高橋, 昭久, 守本, とも子, 大西, 武雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 2009
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Summary:温熱耐性として, あらかじめの温熱処理が重篤な温熱誘導生物影響を抑制することはよく知られている. 本論文において, 我々はあらかじめの温熱処理が水浸拘束ストレス (RWIS) による胃壁の損傷を抑制するかどうか確かめた. RWISによる胃潰瘍は42%発生したのに対して, あらかじめ37°Cで温熱処理すると9 %に抑制された. さらに, 胃におけるRWIS誘導アポトーシス頻度は13%であったのに対して, あらかじめ温熱処理すると8 %に抑制された. 温熱ショックタンパク質 (HSP) 誘導剤のゲラニルゲラニルアセトン (GGA) も胃潰瘍の発生を抑制したことから, あらかじめの温熱によるHSPがアポトーシス誘導の抑制を介してRWISによる胃壁の損傷を抑制していることが示唆された.
ISSN:1882-2576
1882-3750
DOI:10.3191/thermalmed.25.81