ヒトリンパ腫U937細胞の温熱ストレス誘導アポトーシスにおける遺伝子と遺伝子ネットワーク

がん細胞にパイパーサーミアの変曲点温度である42.5°C以上を負荷すると, 細胞死が誘導される. 一方, その変曲点以下の温度では, 細胞障害は僅か, または, 殆ど観察されない. 温熱ストレスシグナルは複雑であり, ハイパーサーミア研究において温熱ストレスによる細胞応答の分子メカニズムを解明することが大きな課題として残されている. 最近, 我々は温熱ストレス応答を解明する最も強力な方法は, 網羅的なマイクロアレイとバイオインフォマティクス解析であると考えた. 本総説では, ヒトリンパ腫U937細胞のアポトーシス誘導またはアポトーシス非誘導条件において, これらの解析手法を用いて得られた温熱ス...

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Published inThermal Medicine Vol. 27; no. 2; pp. 31 - 40
Main Authors 古澤, 之裕, 田渕, 圭章, 近藤, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 2011
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ISSN1882-2576
1882-3750
DOI10.3191/thermalmed.27.31

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Summary:がん細胞にパイパーサーミアの変曲点温度である42.5°C以上を負荷すると, 細胞死が誘導される. 一方, その変曲点以下の温度では, 細胞障害は僅か, または, 殆ど観察されない. 温熱ストレスシグナルは複雑であり, ハイパーサーミア研究において温熱ストレスによる細胞応答の分子メカニズムを解明することが大きな課題として残されている. 最近, 我々は温熱ストレス応答を解明する最も強力な方法は, 網羅的なマイクロアレイとバイオインフォマティクス解析であると考えた. 本総説では, ヒトリンパ腫U937細胞のアポトーシス誘導またはアポトーシス非誘導条件において, これらの解析手法を用いて得られた温熱ストレスによる細胞応答の遺伝子発現プロファイルを要約する. さらに, アポトーシスの有無の条件における温熱ストレスに応答する生物学的な機能と遺伝子ネットワークの差異を考察する.
ISSN:1882-2576
1882-3750
DOI:10.3191/thermalmed.27.31