がん温熱化学療法の増感メカニズムへの再訪- ラジカル産生が増感の鍵を握るのか
温熱および化学療法剤の併用による殺細胞効果および抗腫瘍効果の増感メカニズムは, 温熱による細胞膜透過性の脱制御によって薬剤のがん細胞への取り込み量が増加し, より多くのDNA損傷が誘発されることによるものと考えられている. 近年, がん温熱化学療法において化学療法剤の殺細胞効果および抗腫瘍効果への活性酸素種 (reactive oxygen species, ROS) の寄与が示唆されている. この総説では, 化学療法剤自身から, 化学療法剤と生体物質との相互作用によって, あるいは化学療法剤と温熱との相互効果によって産生されたROSががん温熱化学療法における殺細胞効果および抗腫瘍効果の増強に...
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Published in | Thermal Medicine Vol. 24; no. 1; pp. 13 - 25 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ハイパーサーミア学会
2008
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ISSN | 1882-2576 1882-3750 |
DOI | 10.3191/thermalmed.24.13 |
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Summary: | 温熱および化学療法剤の併用による殺細胞効果および抗腫瘍効果の増感メカニズムは, 温熱による細胞膜透過性の脱制御によって薬剤のがん細胞への取り込み量が増加し, より多くのDNA損傷が誘発されることによるものと考えられている. 近年, がん温熱化学療法において化学療法剤の殺細胞効果および抗腫瘍効果への活性酸素種 (reactive oxygen species, ROS) の寄与が示唆されている. この総説では, 化学療法剤自身から, 化学療法剤と生体物質との相互作用によって, あるいは化学療法剤と温熱との相互効果によって産生されたROSががん温熱化学療法における殺細胞効果および抗腫瘍効果の増強に寄与している可能性を再考してみることにした. |
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ISSN: | 1882-2576 1882-3750 |
DOI: | 10.3191/thermalmed.24.13 |