足部骨格3D計測システムとフットプリントによる小学生の足部の発達と運動特性の解析

小学生の骨や筋の発達,運動能力の低下が問題である.下肢筋力の低下と足部の扁平化は足部の剛性の低下を招くことから,運動能力に影響を与えると考える.また,筋機能の発達は足部骨格を支える基礎となるため,足部変形の観点からも,走る・跳ぶ等の運動能力と足部の発達を総合的に評価することが重要である.そこで本研究では,足部骨格3D計測システムとフットプリント,下肢筋力計測器を用いて,小学生の足部の発達と運動特性について調査することを目的とした. 対象者は小学校3,4年生170名である.計測項目は,身体機能の発達の観点から下肢筋力(足指力,膝間力),フットプリント(足指接地面積等),足部骨格3D計測データ(舟...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 138_2
Main Authors 佐藤, 満, 阿多, 信吾, 山下, 和彦, 山下, 知子, 宮下, 佳以, 井野, 秀一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual62.138_2

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Summary:小学生の骨や筋の発達,運動能力の低下が問題である.下肢筋力の低下と足部の扁平化は足部の剛性の低下を招くことから,運動能力に影響を与えると考える.また,筋機能の発達は足部骨格を支える基礎となるため,足部変形の観点からも,走る・跳ぶ等の運動能力と足部の発達を総合的に評価することが重要である.そこで本研究では,足部骨格3D計測システムとフットプリント,下肢筋力計測器を用いて,小学生の足部の発達と運動特性について調査することを目的とした. 対象者は小学校3,4年生170名である.計測項目は,身体機能の発達の観点から下肢筋力(足指力,膝間力),フットプリント(足指接地面積等),足部骨格3D計測データ(舟状骨高率等),体重,身長とした.運動能力は体力テストの結果から反復横跳び,50m走,立ち幅跳びを用いた. 足指力,膝間力の四分位別の結果では,下肢筋力が高い群ほど反復横跳び,50m走,立ち幅跳びの全種目で運動能力が有意に高いことがわかった.足部の扁平化の指標である舟状骨高率に着目すると,舟状骨高率が低い群の中でも膝間力が高い群は,運動能力が高い傾向にあった.以上より,下肢筋力の発達,足部の扁平化は運動能力と関係性が高く,足部の変形予防の観点からも運動能力とあわせた足部の評価が重要であることが示唆された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual62.138_2