ストレッチャー移送時の速さの違いが方向転換時における加速度と頭部の重心移動に及ぼす影響

健康な大学生の男女48名を対象に,速度計 ・ 加速度計 ・ 体圧分布測定器を装着したストレッチャーを用いて,3km/時,5km/時,7km/時と速度を変えて定められた経路に従って移送を行い,方向転換時における乗車者にかかる加速度と頭部の重心移動の大きさを測定した.その結果,ストレッチャー移送の方向転換時においては,速さが速くなるにつれ,前後 ・ 左右方向ともに加速度が大きくなり,それに伴い頭部の重心移動距離も大きくなった.さらに,すべての速度の加速度と頭部の重心移動距離は,左右 ・ 前後方向ともに,正の相関関係が認められた.速度の上昇に伴い,頭部が大きく振られることから,頭部外傷や頸椎損傷の患...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 13; no. 1; pp. 66 - 74
Main Authors 高橋, 徹, 尾黒, 正子, 森, 將晏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.04.2014
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.13.1_66

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Summary:健康な大学生の男女48名を対象に,速度計 ・ 加速度計 ・ 体圧分布測定器を装着したストレッチャーを用いて,3km/時,5km/時,7km/時と速度を変えて定められた経路に従って移送を行い,方向転換時における乗車者にかかる加速度と頭部の重心移動の大きさを測定した.その結果,ストレッチャー移送の方向転換時においては,速さが速くなるにつれ,前後 ・ 左右方向ともに加速度が大きくなり,それに伴い頭部の重心移動距離も大きくなった.さらに,すべての速度の加速度と頭部の重心移動距離は,左右 ・ 前後方向ともに,正の相関関係が認められた.速度の上昇に伴い,頭部が大きく振られることから,頭部外傷や頸椎損傷の患者の容態に悪影響を及ぼす可能性があることを念頭において移送する必要があるとの示唆を得た.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.13.1_66