手術支援ロボットログの利活用 ―手術予後予測と自律化に向けた技術基盤の確立
近年、AIの台頭により診断機器を中心に医療機器の高度化が進んでいる。PMDAの調査によると医療機器が将来の高度な自律能を確立することにより、患者と医師等の関係性が従来から変化する可能性があると指摘している。手術支援ロボットにおいてもその例外にもれず、外科医の代替になりうる手技の自律制御の研究開発が行われており、その象徴的な手技として縫合の自動化が挙げられる。一方、われわれは手技の代替ではなく、自律制御することで生まれる価値に着目し、その機能を手術支援ロボットに実装していくべきであると考える。ロボット支援下手術において頻度の高い潜在的な操作ミスについて分析を行い、術者の無意識下にそのミスを未然に...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual62; no. Abstract; p. 232_1 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2024
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual62.232_1 |
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Summary: | 近年、AIの台頭により診断機器を中心に医療機器の高度化が進んでいる。PMDAの調査によると医療機器が将来の高度な自律能を確立することにより、患者と医師等の関係性が従来から変化する可能性があると指摘している。手術支援ロボットにおいてもその例外にもれず、外科医の代替になりうる手技の自律制御の研究開発が行われており、その象徴的な手技として縫合の自動化が挙げられる。一方、われわれは手技の代替ではなく、自律制御することで生まれる価値に着目し、その機能を手術支援ロボットに実装していくべきであると考える。ロボット支援下手術において頻度の高い潜在的な操作ミスについて分析を行い、術者の無意識下にそのミスを未然に回避する機能を実用化することが安心で安全な治療の実現につながる。神戸大学では、hinotoriの術中映像を含む操作ログを解析することにより、外科医の手術手技の評価を行い、外科医の暗黙知を可視化し技術レベルの客観化する研究を行っており、術中映像による手術工程解析と鉗子軌跡による術者動作解析の異なる2つのアプローチによって暗黙知の可視化技術の基盤構築を目指す。術中映像の解析においては競合他社の鉗子認識に特化したAIを用いて転移学習を行うことで、別機種の鉗子認識に特化した効率的なAIの学習法を確立した。また、メンテナンス用の操作ログを用いて手術手技の熟達評価を行う基礎的な技術を確立した。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual62.232_1 |