短期記憶課題を用いたNIRSによる脳活動の評価法の検討

【目的】NIRSによる脳機能計測において、実験課題に対する被験者間の脳反応の特性を捉えることを目的として、短期記憶課題を用いた脳活動の評価法を検討した。【方法】光脳機能イメージング装置(OEG16:スペクトラテック社製)を用いて、短期記憶課題に対する前頭部の脳活動を測定した。課題は画面にランダムに呈示される8個の矢印の方向を記憶して向きを答える内容である。加算平均後の酸素化ヘモグロビン濃度変化の積算値を課題実施に伴う脳血流の変化量として評価した。実験は食間(朝食後2時間)と食後(昼食後30分以内)の2回実施した。被験者は同意を得た8名である。実験終了後にアンケートにより被験者の状態を確認した。...

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Published in生体医工学 Vol. Annual57; no. Abstract; p. S61_2
Main Authors 福田, 恵子, 三田, 哲大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2019
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Summary:【目的】NIRSによる脳機能計測において、実験課題に対する被験者間の脳反応の特性を捉えることを目的として、短期記憶課題を用いた脳活動の評価法を検討した。【方法】光脳機能イメージング装置(OEG16:スペクトラテック社製)を用いて、短期記憶課題に対する前頭部の脳活動を測定した。課題は画面にランダムに呈示される8個の矢印の方向を記憶して向きを答える内容である。加算平均後の酸素化ヘモグロビン濃度変化の積算値を課題実施に伴う脳血流の変化量として評価した。実験は食間(朝食後2時間)と食後(昼食後30分以内)の2回実施した。被験者は同意を得た8名である。実験終了後にアンケートにより被験者の状態を確認した。さらに、課題の正答率、計測中の自律神経指標(LF/HF)を評価した。【結果】8名の平均正答率は食前82%、食後76%となり、食後に6.7%減少した。アンケートにて8名中6名中が食後に眠気を感じたと答え、そのうち5名は脳血流量と課題の正答率が食後に低下した。また、LF/HFは5名中4名で食前食後にほぼ等しい値となった。NIRS計測に複数の評価指標を加えることが被験者間の脳活動と課題の取組み状況を多角的に評価する上で役立つと考えられる。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual57.S61_2