慢性心不全に対する非薬物療法
1992 年,Xiao らは拡張型心筋症患者において QRS 幅の拡大がピーク dp/dt の低下とピーク dp/dt への到達時間と相関することを報告し,QRS 短縮により心機能改善の可能性があると報告した1).1994 年,Bakker らは左脚ブロック (CLBBB) を有する NYHA III-IV の重症心不全 5 例に対し開胸にて左室心筋電極を留置し,両室ペーシングを行ったところ,4 例の自覚症状が改善,左室駆出率が平均 8%増加し,2 例で僧帽弁閉鎖不全 (MR) が有意に減少したと報告した2).さらに,1996 年に Cazeauらは 8 例の心室内伝導障害あるいは CLBBB...
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Published in | 日大医学雑誌 Vol. 79; no. 4; pp. 217 - 220 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大学医学会
01.08.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0029-0424 1884-0779 |
DOI | 10.4264/numa.79.4_217 |
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Summary: | 1992 年,Xiao らは拡張型心筋症患者において QRS 幅の拡大がピーク dp/dt の低下とピーク dp/dt への到達時間と相関することを報告し,QRS 短縮により心機能改善の可能性があると報告した1).1994 年,Bakker らは左脚ブロック (CLBBB) を有する NYHA III-IV の重症心不全 5 例に対し開胸にて左室心筋電極を留置し,両室ペーシングを行ったところ,4 例の自覚症状が改善,左室駆出率が平均 8%増加し,2 例で僧帽弁閉鎖不全 (MR) が有意に減少したと報告した2).さらに,1996 年に Cazeauらは 8 例の心室内伝導障害あるいは CLBBB を有する重症心不全に両室ペーシングを行い,25%の心係数の改善,17%の肺動脈楔入圧の減少,4 例に NYHA の改善(IV → II 度)を認めたと報告した3).これらの報告をもとに,伝導障害,CLBBB の是正による心不全の治療CRT が開発された. |
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ISSN: | 0029-0424 1884-0779 |
DOI: | 10.4264/numa.79.4_217 |