専門家の社会への意識に関する時系列分析

継続的な予測調査報告書をテキストマイニングのアプローチで可視化することにより、40年間にわたる専門家集団の意識の経時変化を明らかにした。2000年以前は比較的インクリメンタルな細分化の時期であったが、2000年を境に彼らの意識は社会との関係性を強く持つ方向性へと大きく変化し、2000年以降、広範囲な社会意識へと広がった。高頻度出現単語の時系列変化は、注目される分野もしくはそれらの社会実装の必要性を表している。一方、分野間の大きな偏りは存在し続け、彼らの社会への意識の不十分さも示している。このことは、日本のイノベーションエコシステムにおいて、本質的にシーズとニーズの不適合が存在する懸念を我々に抱...

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Published in社会技術研究論文集 Vol. 12; pp. 1 - 11
Main Authors 奥和田, 久美, 横尾, 淑子, 筒井, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社会技術研究会 2015
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Summary:継続的な予測調査報告書をテキストマイニングのアプローチで可視化することにより、40年間にわたる専門家集団の意識の経時変化を明らかにした。2000年以前は比較的インクリメンタルな細分化の時期であったが、2000年を境に彼らの意識は社会との関係性を強く持つ方向性へと大きく変化し、2000年以降、広範囲な社会意識へと広がった。高頻度出現単語の時系列変化は、注目される分野もしくはそれらの社会実装の必要性を表している。一方、分野間の大きな偏りは存在し続け、彼らの社会への意識の不十分さも示している。このことは、日本のイノベーションエコシステムにおいて、本質的にシーズとニーズの不適合が存在する懸念を我々に抱かせる。
ISSN:1349-0184
1882-4609
DOI:10.3392/sociotechnica.12.1