抗プロジェステロンRU486による犬, 猫の妊娠中絶(短報)

プロジェステロンの競合桔抗薬であるRU486を用いて犬, 猫の妊娠中絶を試みた. その結果, 犬においては, 妊娠初期~後期にRU486を投与された6例すべてに完全な妊娠中絶が認められた. 妊娠末期に投与された2例は分娩したが, RU486により分娩が誘起された可能性がある. 猫では, 供試5例のうち1例のみに妊娠中絶が認められ, またRU486による妊娠中絶後の受胎能力は正常であることが判明した. 試験期間を通してとくに顕著な副作用は認められなかった. 以上のことから, RU486は犬においては, 妊娠中絶の非外科的方法として十分に応用できることが明らかとなった. また, 猫においては, R...

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Published inJournal of Veterinary Medical Science Vol. 53; no. 6; pp. 1069 - 1070
Main Authors 山海, 直, 金山, 喜一, 遠藤, 克, 佐久間, 勇次, 梅津, 元昭, 正木, 淳二
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 日本獣医学会 1991
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Summary:プロジェステロンの競合桔抗薬であるRU486を用いて犬, 猫の妊娠中絶を試みた. その結果, 犬においては, 妊娠初期~後期にRU486を投与された6例すべてに完全な妊娠中絶が認められた. 妊娠末期に投与された2例は分娩したが, RU486により分娩が誘起された可能性がある. 猫では, 供試5例のうち1例のみに妊娠中絶が認められ, またRU486による妊娠中絶後の受胎能力は正常であることが判明した. 試験期間を通してとくに顕著な副作用は認められなかった. 以上のことから, RU486は犬においては, 妊娠中絶の非外科的方法として十分に応用できることが明らかとなった. また, 猫においては, RU486により妊娠中絶できる可能性は示されたが, 今後, 投与時期や投与量などの詳細な検討が必要である.
ISSN:0916-7250
1347-7439
DOI:10.1292/jvms.53.1069