持参薬と入院後処方薬の混在下における内服業務の標準化指針の開発

持参薬の適正な運用のため,持参薬に特化した業務に関しては多く検討されているものの,持参薬と入院後処方薬の混在下で両者の整合性を確保しながら統合的に管理する観点からの検討は行われていない。本研究では,持参薬と入院後処方薬が混在する状況下で,両者の性質の違いを考慮しながら統合管理するための内服業務の標準化指針を開発した。 内服業務の統合管理を実現するために,情報収集,指示,準備,服用の業務ごとに業務目標を導出し,持参薬の特性を考慮した標準化指針を開発した。統合管理のためには,「受入」「休薬」「併用」「切替」を適切に実現する必要があると考えた。持参薬の特性として,「外部で処方・調剤される」「入院前の...

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Published in日本医療・病院管理学会誌 Vol. 54; no. 2; pp. 77 - 86
Main Authors 下野, 僚子, 藤原, 優子, 水流, 聡子, 北條, 文美, 島崎, 博士, 廣瀬, 俊昭, 小川, 武希, 浅野, 晃司, 落合, 和徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療・病院管理学会 2017
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Summary:持参薬の適正な運用のため,持参薬に特化した業務に関しては多く検討されているものの,持参薬と入院後処方薬の混在下で両者の整合性を確保しながら統合的に管理する観点からの検討は行われていない。本研究では,持参薬と入院後処方薬が混在する状況下で,両者の性質の違いを考慮しながら統合管理するための内服業務の標準化指針を開発した。 内服業務の統合管理を実現するために,情報収集,指示,準備,服用の業務ごとに業務目標を導出し,持参薬の特性を考慮した標準化指針を開発した。統合管理のためには,「受入」「休薬」「併用」「切替」を適切に実現する必要があると考えた。持参薬の特性として,「外部で処方・調剤される」「入院前の管理状況は患者に依存する」「患者資産である」の3点を考慮した。検証病院での調査により,業務目標と標準化指針が妥当であることを検証した。
ISSN:1882-594X
2185-422X
DOI:10.11303/jsha.54.77