筋伸張度の違いが筋組織循環動態に与える影響ー近赤外分光法による検討ー
[目的]筋の組織循環動態は、筋収縮による酸素消費や流入動脈血酸素化の程度、静脈還流など様々な影響を受けて変化する。我々はこれまでに健常者や脳血管障害患者を対象に、筋緊張と組織循環動態について検討してきたが、他動的筋伸張による影響は未検討であった。また、関連する報告も見当たらない。様々な場面でストレッチは一般的に行われているが、循環動態を考慮して実施しているとは言い難い。また末梢循環障害患者や筋疲労回復を目的とするストレッチでは循環動態に注意する必要がある。本研究は外力による他動的筋伸張の程度を変えた際の筋循環動態に違いがあるか否かを近赤外分光法により検討することを目的とした。本研究は本庄総合病...
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Published in | 生体医工学 Vol. Annual56; no. Abstract; p. S393 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2018
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Summary: | [目的]筋の組織循環動態は、筋収縮による酸素消費や流入動脈血酸素化の程度、静脈還流など様々な影響を受けて変化する。我々はこれまでに健常者や脳血管障害患者を対象に、筋緊張と組織循環動態について検討してきたが、他動的筋伸張による影響は未検討であった。また、関連する報告も見当たらない。様々な場面でストレッチは一般的に行われているが、循環動態を考慮して実施しているとは言い難い。また末梢循環障害患者や筋疲労回復を目的とするストレッチでは循環動態に注意する必要がある。本研究は外力による他動的筋伸張の程度を変えた際の筋循環動態に違いがあるか否かを近赤外分光法により検討することを目的とした。本研究は本庄総合病院倫理委員会の承認を得て実施した。[方法]健常成人9人の足関節底屈筋を対象に、筋短縮位(足関節最大底屈位)、筋伸張中間位(足関節底背屈中間位)、筋伸張位(足関節最大背屈に対する50%背屈位)における酸化ヘモグロビン量(O-Hb)、脱酸化ヘモグロビン量(D-Hb)、全ヘモグロビン量(T-Hb)、組織酸素飽和度(StO2)を測定し比較した。反射性筋収縮の影響を避けるため、本研究の筋最大伸張位は50%背屈位とした。[結果]O-Hb、D-Hb、T-Hb、StO2は3つの肢位間で統計学的有意差を認めなかった。[結論]筋の組織循環動態は、(本研究の伸張範囲内では)他動的筋伸張の影響を受けないと示唆された。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual56.S393 |