脳血管障害によるめまい

めまいの原因のうち脳血管障害の割合は 4%程度とまれであるが,脳血管障害は致命的にもなりえるため,脳血管障害によるめまいは見逃したくない「危険なめまい」である.めまいの原因となる脳血管障害の病巣は脳幹と小脳が多いため,運動麻痺,感覚障害,眼球運動障害,構音障害,嚥下障害,小脳性運動失調があれば脳血管障害を考える.一方,脳幹や小脳の小梗塞・出血が原因でめまい以外の神経症状がないことがあるが,脳血管障害を示唆する症状・症候として,突発性の発症様式,複数の脳血管障害リスクファクターを有すること,臥床安静で軽減せず持続すること,歩行不能,両方向注視眼振を認識する必要がある....

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Published in日大医学雑誌 Vol. 78; no. 2; pp. 79 - 82
Main Authors 亀井, 聡, 小川, 克彦, 中嶋, 秀人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.04.2019
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.78.2_79

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Summary:めまいの原因のうち脳血管障害の割合は 4%程度とまれであるが,脳血管障害は致命的にもなりえるため,脳血管障害によるめまいは見逃したくない「危険なめまい」である.めまいの原因となる脳血管障害の病巣は脳幹と小脳が多いため,運動麻痺,感覚障害,眼球運動障害,構音障害,嚥下障害,小脳性運動失調があれば脳血管障害を考える.一方,脳幹や小脳の小梗塞・出血が原因でめまい以外の神経症状がないことがあるが,脳血管障害を示唆する症状・症候として,突発性の発症様式,複数の脳血管障害リスクファクターを有すること,臥床安静で軽減せず持続すること,歩行不能,両方向注視眼振を認識する必要がある.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.78.2_79