片側大腿義足異常歩行分析における熟練者と初心者の観察方法の違いについて モバイル型アイマークレコーダによる検討

(目的)本研究の目的は,熟練者の義足歩行観察手順を明らかにし,初心者の義足歩行観察技能向上の一助となる具体的な教示内容について検討することである.(対象)切断者のリハビリテーションに従事している理学療法士20名とし,その経験年数により熟練群と初心者群に分けた.(方法)対象者は,意図的に作製された2つの異常歩行映像を眼球運動計測装置の装着下で観察し,3設問(異常歩行の名称,原因,対処)に回答させた.また,課題ごとに映像観察時間を計測した.得られたデータは,歩行観察時の視野映像に注視点を表示させ, 解析ソフトによって注視点及び停留点の定量解析を行い,両群で比較した.(結果)熟練群は初心者群に比較し...

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Published in行動リハビリテーション Vol. 2; pp. 25 - 30
Main Authors 豊田, 輝, 山崎, 裕司, 加藤, 宗規
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 行動リハビリテーション研究会 01.03.2013
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Summary:(目的)本研究の目的は,熟練者の義足歩行観察手順を明らかにし,初心者の義足歩行観察技能向上の一助となる具体的な教示内容について検討することである.(対象)切断者のリハビリテーションに従事している理学療法士20名とし,その経験年数により熟練群と初心者群に分けた.(方法)対象者は,意図的に作製された2つの異常歩行映像を眼球運動計測装置の装着下で観察し,3設問(異常歩行の名称,原因,対処)に回答させた.また,課題ごとに映像観察時間を計測した.得られたデータは,歩行観察時の視野映像に注視点を表示させ, 解析ソフトによって注視点及び停留点の定量解析を行い,両群で比較した.(結果)熟練群は初心者群に比較し歩行分析に要する所要時間が有意に短く,正答率も有意に高かった.また,正答者(全ての熟練者と初心者1名)は,停留点及び観察順は共通していた.(考察)熟練群の歩行分析手順を異常歩行ごとに明らかにすることができた.この情報により初心者の歩行分析技能を効率よく高めることができるかもしれない.
ISSN:2186-6449
2758-7924
DOI:10.60218/kodoreha.2.0_25