多義的旋律に対するfMRIによる脳活動の研究/続報

2種類の持続音(A4とE5)との間に断続的に繰り返される音(C5)を同時に聞くときに聞こえる幻想的な旋律C5-A4-C5-A4(Down)とC5-E5-C5-E5(Up)に,音楽の曖昧性が存在する.本研究では,以前の報告よりも脳活動のイメージをより明確にするために実験方法を変更した.(1)scan時のノイズが刺激を妨害することを防ぐためにscanと刺激提示を交互に行っていたが,本実験ではscanと刺激提示を同時に行った.(2)3種類の刺激音(Down、Up、Neutral)は,以前の研究のように無作為に提示するではなく,10回連続で提示した.(3)音刺激による誘導の代わりに楽譜を用いた視覚刺激...

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Published in生体医工学 Vol. Annual56; no. Abstract; p. S301
Main Authors 草野, 睦月, 川勝, 真喜, 根本, 幾, 王, 力群
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2018
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Summary:2種類の持続音(A4とE5)との間に断続的に繰り返される音(C5)を同時に聞くときに聞こえる幻想的な旋律C5-A4-C5-A4(Down)とC5-E5-C5-E5(Up)に,音楽の曖昧性が存在する.本研究では,以前の報告よりも脳活動のイメージをより明確にするために実験方法を変更した.(1)scan時のノイズが刺激を妨害することを防ぐためにscanと刺激提示を交互に行っていたが,本実験ではscanと刺激提示を同時に行った.(2)3種類の刺激音(Down、Up、Neutral)は,以前の研究のように無作為に提示するではなく,10回連続で提示した.(3)音刺激による誘導の代わりに楽譜を用いた視覚刺激による誘導を行った.Down vs NeutralとUp vs Neutralのコントラストにおいて,前頭眼窩野を含む前頭前野での活動の増加が見られた.これにより,ワークングメモリと情動的反応の関与を示唆している.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual56.S301