当院リハ病棟の体制変化に伴うリハ病棟機能低下
松江市立病院(以下、当院)リハビリテーション(以下、リハ)病棟は、2005年8月の新病院開院と同時に51床の回復期リハ病棟として新設されたが、2006年1月からリハ科の医師1名欠員のため同病棟を亜急性期病床38床と一般病床13床の混合病棟として運用することとなった。この変化に伴うリハ患者への影響を在棟日数、退院先、退院時ADLで比較検討した。回復期リハ病棟であった2005年9~12月と、混合リハ病棟となった2006年1~4月の各4ヵ月間をそれぞれ前期、後期とした。各期間に退院または転出した患者はそれぞれ92名、101名であり、年齢、性別に有意差はなかったが入院科別では有意差があり、後期で整形外...
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Published in | The Medical Journal of Matsue City Hospital Vol. 11; no. 1; pp. 9 - 13 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
松江市立病院
2007
Matsue City Hospital |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-0866 2434-8368 |
DOI | 10.32294/mch.11.1_9 |
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Summary: | 松江市立病院(以下、当院)リハビリテーション(以下、リハ)病棟は、2005年8月の新病院開院と同時に51床の回復期リハ病棟として新設されたが、2006年1月からリハ科の医師1名欠員のため同病棟を亜急性期病床38床と一般病床13床の混合病棟として運用することとなった。この変化に伴うリハ患者への影響を在棟日数、退院先、退院時ADLで比較検討した。回復期リハ病棟であった2005年9~12月と、混合リハ病棟となった2006年1~4月の各4ヵ月間をそれぞれ前期、後期とした。各期間に退院または転出した患者はそれぞれ92名、101名であり、年齢、性別に有意差はなかったが入院科別では有意差があり、後期で整形外科が減少して脳神経外科・神経内科が増加していた。平均在棟日数は前期37.2日、後期51.7日と後期で有意に増大しており、科別に比較しても主要3科である整形外科、脳神経外科、神経内科ともに後期で増大していた。自宅退院率は前期80%から後期61%へ有意に低下しており、施設入所、転院がそれぞれほぼ倍増していた。また合併症などで転棟となった患者が、前期3例に対し後期9例と増加していた。自宅退院率の低下は科別に比較しても同様であった。退院時ADLは機能的自立度(以下、FIM)総合得点で評価したが、後期で有意に低い得点分布を示し、科別でもすべて後期で低下傾向にあった。リハ病棟では患者をなるべく早期に高いADLに到達させて自宅復帰させることが主要な目的となるが、当院リハ病棟では今回の体制変化に伴い、退院リハ患者の在棟日数、自宅復帰率、退院時ADLといった主要3項目が全て悪化していた。原因として患者層の変化や季節的要因も考えられるが、リハ病棟専従医の不在による影響と、一般病床への疾病治療患者の入棟によるリハ看護能力の低下も、リハ病棟機能低下の要因と考えられる。 |
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ISSN: | 1343-0866 2434-8368 |
DOI: | 10.32294/mch.11.1_9 |